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先生の指導が合わず子どもが不登校気味に… 担任は変えてもらえる?パパ弁護士が回答!

ニュースでも度々目にすることがある保育者や教員による”不適切な指導”。我が子がもしそんな目に合ったら…と、不安になる人もいるのでは?学校問題に詳しく、自身も2児のパパである米澤弘文弁護士に伺いました。

教えてくれたのは

米澤弘文

(ベリーベスト法律事務所 弁護士)

いじめや園・学校での事故、退学処分、刑事事件・少年事件などの刑事弁護、親権問題を含む離婚問題など、日常生活で起こりうるトラブルを中心に扱う。特に障害のある人の刑事事件、少年事件の刑事弁護には長年にわたり携わる。法人関係では特に紛争事案の問題解決を得意とする。プライベートでは5才・2才を育てる2児のパパ。

––実際に先生の不適切な指導の相談というのはあるのでしょうか。

昔に比べるとそのような指導は少なくなったと思いますが、例えば「私語が多いからといって廊下に立たされた」「保育士から強い口調や乱暴な言葉で指導された」「本当はいじめの被害者なのに、反発する形で加害者に手を出したら、いじめの事実を知らない担任から、一方的に注意された」など、不適切な指導による相談は現在もあります。

担任変更のハードルはなぜ高い?

––知人でも、子どもがある時から学校に行くのを嫌がるようになり、話を聞いていくと担任による極度に厳しい指導が原因だったことがありました。でも、親がどんなに学校に交渉しても、担任を変更するという対応はなかなかしてくれなかったそうです。

不適切な指導を行っている先生がいて、子どもが不登校にまでなっているならば、「先生やクラスを変えればいい」と思うかもしれませんが、年度途中で担任の先生やクラスを変えるというのは、学校側からするとかなりハードルの高いことになります。

 

というのも、不適切な指導が行われている事実を学校側が認識していたとしても、担任を変えるということは、その教師に対して、懲戒的な処分をしなければいけなくなるからです。それだけの処分をするからには、学校側としては事実関係を詳細に確認したうえでしかできないので、問題が起こったからといってすぐに変えられないということになります。

その後も学校との関係は続いていく

––そのような場合、弁護士さんに相談をするとどのような解決になるのでしょうか。

ケガや事故案件だと損害賠償額請求をするというのが一般的ですが、学校における指導問題にはそういった明確な着地点がありません。

 

もちろん法律的には、例えば教師から暴力を振るわれたら「暴行罪」、ケガをさせられたら「傷害罪」、侮辱されるようなことを言われたら「侮辱罪」というように、学校側に刑事的な責任追及や損害賠償請求を行うことはできます。

 

ただ問題が起こった後も、転校しない限りは学校との関係が切れるわけではないので、お子さんがそこにずっと通い続けるということを前提にすると、学校側に責任追及をする権利はあっても、賠償請求を行うことが必ずしも解決には繋がらないケースが多いです。

 

多くの場合は対立をしたり責任追及したりするというよりは、問題が起こった後もお子さんが安心して通学・通園できるようにするにはどうしたらいいのか、という話し合いを重ねることで問題解決へと導いていくことが多いです。

弁護士が陰でアドバイスすることも

–弁護士さんに相談することで、逆に事が大きくなってしまうのでは?という不安もあるのですが…。

弁護士が入ることで、より対立化するイメージがあるかもしれませんが、弁護士は交渉のプロでもあります。特に学校における問題は弁護士が間に入ることで対立関係を緩和し、冷静に解決へと導いていく、という側面が強いと思います。

 

というのも、問題が起こった時に、親御さんがヒートアップしまって、学校側へ要望を適切に伝えられず、ただ責任を追及することに集中してしまう、というケースが多いからです。

–確かに、話し合いをしているうちにヒートアップをしてしまう気がします。

着地点は案件によっても人によっても様々ですが、不適切な指導から不登校になってしまった場合には、保護者側で問題としている不適切な指導について、学校側と共通の認識を持つことが重要です。

それに、必ずしも弁護士が表に出るわけではありません。


学校とのやり取りは基本的に親御さんにしていただいて、弁護士は文書を作成したり、どういう風に交渉すればいいのかをアドバイスしたり、バックアップに徹するという場合も少なくありません。

 

弁護士に頼んだことを知られたくないなど、様々な状況に応じた解決方法はあります。

意外と多い?親と子どもの思いのズレ

–こういったケースで保護者が注意しておきたい点はありますか?

実は相談者の親子で考え方にズレがある、という場合は少なくないんです。
親としては、我が子を守りたい一心から「学校側に責任追及をしたい」「先生に謝罪してほしい」ということで相談にいらっしゃるケースが多いのですが、お子さんは実はそんなことは望んでいなくて、ただ安心して学校へ行きたい、それだけだったりもします。
 
このように親子で考えがズレているケースはとても多いので、間に入っている私たち弁護士が、親子で別々に面談を行うなど、お子さん自身がどうしてほしいのか、直接話を聞くこともあります。

–そうなると指導問題のゴールや着地点はどこにあるのでしょうか?

着地点は案件によっても人によっても様々ですが、不適切な指導から不登校になってしまった場合には、保護者側で問題としている不適切な指導について、学校側と共通の認識を持つことが重要です。
 
そういった共通理解を前提として、今後はそういう指導をしないということを約束してもらうのもひとつですし、それでも、お子さんが「先生の顔も見たくない」というのであれば、お子さんを保護するために、保健室登校にする、という方法もあります。
 
例えば、最初は親と一緒に登校して保健室で数時間過ごして、徐々に調子が良くなってきたら一人で午前中だけ登校して、というようにお子さんが安心して生活できる環境を整える道筋についても、学校側と共通認識を持つように調整します。

費用はどれくらいかかるの?

―解決金がない案件の場合、費用はどのように算出するのでしょうか?
弁護士費用は、最初に着手金をお支払いいただいて、損害賠償請求などの解決金が得られると報酬金をいただいて事件終了となるのが一般的です。ただ、学校問題のように対話をする、協議をする、という事案では解決金が想定されないことが多いので、その場合は時間制手数料(タイムチャージ)で弁護士費用をお支払いいただいています。

より円滑に解決するためのポイントは?

―最後に、学校トラブルを抱えた場合のアドバイスをお願いします。

親御さんの立場からすると、つい感情的になってしまって、当事者は子どもだということを忘れてしまうんですよね。でも一番大切なのは、問題が起こった後も、お子さんが登校(登園)できるような状況にするためにはどうしたらいいのか、です。まずは冷静になって、子どもの目線に立って、学校側と対話をしていくことが大切だと思います。
 
お子さんが安心して生活できる環境を整えることを一番に考えていきますので、なにかあればお気軽にご相談ください。

取材・文/門司智子

提供:ベリーベスト法律事務所

ベリーベスト法律事務所

https://www.vbest.jp/
東京オフィス(〒106-0032東京都港区六本木一丁目8番7号 MFPR六本木麻布台ビル11階)ほか、全国73拠点で相談可能です。

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