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自分らしく生きる土台をつくる!こころの知能指数<EQ>の育て方

2020年から全面実施となる学習指導要領でも重要視されている非認知能力(※)。中でもEQ(こころの知能指数)は、幼児期に土台が作られると言われています。何だか難しそうですが、実は日常の何気ないことが大事なのだそうです。

※非認知能力とは…IQ(知能指数)などのように測れる「認知能力」に対して、「目標に向かって粘り強く頑張る力」や 「人との関係を上手く築く力」などの数値化できない能力の総称

 「こころの知能指数」と呼ばれるEQは、自分の感情をコントロールしたり、物事をうまく処理したりする能力のこと。例えば、新しいことをするときに、EQの高い子は「自分ならやれる!」と自信を持って挑戦し、最後までやり抜くことができます。また、精神面が安定し、落ち着いて勉強に取り組むことができるので、学力やIQも高くなる傾向にあります。

 私自身が公立小学校に勤めていた時に感じたことですが、最近は、心が折れた時に立ち直れない、衝動的な行動をしてしまう、といった子が増えているように思います。周囲と協力し合ったり前向きに物事を捉えたりしながら生きていくためにも、幼児期は特にEQを育てることが大切です。

(取材・文/佐藤理奈)

親が高いと子どもも…?家庭で育つEQ

 ではEQを高めるにはどうすればいいのでしょうか?抱っこをして心を満たしてあげたり、子どもの気持ちに寄り添ったり…。そう、特別なことではなく、日常の中で愛情を感じ、信頼関係を築いていくうちに、自然と育っていくものなのです。

 また、親自身が感情をうまく処理し、プラス思考の言葉がけをすれば、その姿を見て子どもは自分の感情をコントロールすることを覚えます。実際に、EQが高い親に育てられた子どもは感情を上手く処理できるという研究結果もあるほど。親自身が困難にあった時も、自分自身と向き合い前向きに対応していれば、自然と子どものEQは高まっていくのです。

当たり前の中にある【8つのヒント】​​

何気なく子どもと一緒に遊んだり触れ合ったりしていることが、実はEQを高めているんです。ちょっと視点を変えるだけで、明日から子育てがもっと楽しくなるかも!?
EQを育てるための、8つのヒントを紹介します!

●服を選ぶ

毎日の服選びは子どもに任せてしまいましょう!選んだ服を見て、つい「こっちのほうが可愛いよ」「これにしたら?」と口を出したくなりますが、否定せずに認めてあげて。自分のことを自分で決める力が育つだけでなく、選んだ服に愛着も生まれます。

●ごっこ遊びやおままごと

お店屋さんやお医者さんの真似をするごっこ遊びやおままごとは、一緒に遊ぶ人と頭の中のイメージを共有し、想像力が広がっていく遊びです。身近な大人の口調や仕草を真似るのは、与えられた役の気持ちや立場を想像している証拠。ひとりきりでやっている場合も、「何を言っているのかな?」と気になりますがそっと見守って。

●外遊び

気温を肌で感じたり、草花や土の匂いを嗅いだり…五感を使って遊べる自然は、子どもにとっては刺激がいっぱい!例えば葉っぱ1枚にしても、クレヨンの緑色だけでなく黄色に近いものや黒が混じった濃い色など、様々な緑色があることに気づきます。ママも一緒に発見を楽しんでみては?

●目を見て話す

「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるように、目は自分が思っている以上に気持ちを表します。子どもと話す時に大切なのは、目線を合わせること。目を見ずに返事だけをしていると「自分に興味がないんだ」「受け入れてくれない」と感じてしまいます。忙しいときほど、腰を落として子どもと向き合い、大切だというメッセージを伝えましょう。

●抱きしめる・触れ合う

抱きしめて身体を密着させ、愛情を伝えることで、大事にされているという安心感が育ちます。精神状態が安定することで、他人を思いやる心も育まれます。まだ小さい子なら、ベビーマッサージもおすすめ。肌の触れ合いを通して愛情が伝わりますよ。

●寝る前の空想話

寝る前は子どもにとって大切な時間。人は寝ている間に、寝る前に起きたことを反芻すると言われていて、「夢の中で、どこに遊びに行こうか?」など、ゆったりとした気持ちで話をしながら眠りにつけば想像力も育まれます。お話を作るのが難しい時は、絵本の力を借りてみても◎

●子どもの完成を育てる

子どもがお絵かきをしているとき、実際と違う色を塗ったり、変な形を描いたりしていても、好きなように描かせてあげてください。自由に表現し、楽しいと感じることが子どもの感性を育みます。

●子ども自身の気持ちを聞く

子どもが泣いているときやグズっているとき、やめさせるのではなく「本当はどうしたいの?」「何が嫌なの?」と気持ちを聞いてあげて。まだきちんと話せなくても、その声がけの積み重ねによって、大きくなったときに自分の気持ちをきちんと言える子に育ちます。

<教えてくれたのは>
田代 佳織さん

EQを学び、心の教育の大切さを伝える元公立学校教諭。現在はオルタナティブスクールWING SCHOOL(熊本市)にて、子どもたちに寄り添った心の授業を行う。

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