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【産後うつ特集】7人に1人は産後うつの疑い 回復のカギは「周りのサポート」

今や出産した女性の3割が発症するという産後うつ。どんなに健康的で明るい性格でも、出産を機に陥る可能性があることが分かっています。その兆候や対処法を、九州大学病院 子どものこころの診療部 専任准教授の山下洋先生に取材しました。

性格よりも周りの環境が大きく影響

出産後数日から2週間程度のうちにみられる、涙もろいなど軽度の抑うつ状態を『マタニティブルーズ』、産後2週間〜約3ヵ月に現れるうつ症状を『産後うつ病』といいます。個人差はあるものの、ほとんどは1ヵ月以内に治まり、軽症の場合は周囲のサポートなどで、数か月で回復します。しかし、時に4ヵ月頃から症状が高まる場合も。


原因は「ホルモンの変化」と「環境によるストレス」が重なり、身体と心のバランスが崩れるためですが、子育て環境の影響が大きく、周りのサポートを十分に得られず、育児不安や悩みを抱えて孤立し、不眠、食欲不振、情緒不安定などの症状がみられます。頑張り屋、完璧主義、心配性など、なりやすい人の傾向はあるものの、性格よりも周りの環境が大きく影響するため、産後うつ病は出産した女性なら誰でもなりうる病気なのです。

1人で悩まずSOSを!

病院に行くべきか分からない、パートナーや身近な人にも相談できない。そんな時は赤ちゃん家庭訪問を担当する民生委員、乳幼児健診を担当する保健師などに相談を!ためらうかもしれませんが、適切なサポートを受けるための最初の入り口です。

周りはどう対応するべき?

産後うつ病の人は、周りに心配をかけまいと普段の生活に変化を見せないため、気づきにくいもの。雑談をしなくなった、よく不安を口にするようになった、などと感じた場合は、「共感」「傾聴」の姿勢でよく話を聞いてあげて

新型コロナ拡大で倍増

コロナ禍の影響で世界的にも産後うつ病が倍増しているとの報告があります。両親学級や立ち会い出産の中止、里帰り出産ができない、また経済的な不安や在宅でのストレスによるDVなど、今、深刻な社会問題となっています。

早期ケアでママ自身のメンタルを高めて

産後うつ病を改善する一番の方法は、サポートを受けることです。子育て支援に関わる人たちの力を借りて、ぜひご自身のメンタルセルフケアを行ってください。

 

産後うつ病は決して恥ずかしいことではありません。自分を責めたりせずに、どうぞ周りを頼って話してください。

知ってる?産後ケア事業

ママがおおらかに育児ができるように支援する社会的環境の整備として、「産後ケア事業」が全国で行われています。助産師の家庭訪問による「訪問型」、産科医療機関や産院に宿泊する「施設型」など自治体により様々。出産前に情報収集をして上手に活用しましょう。

※各事業のお問い合せは、住居のある市区町村役場、または保健センターへ

九州大学病院
子どものこころの診療部 特任准教授
山下 洋先生

周産期メンタルヘルス・乳幼児精神医学・発達障害を専門とし、学校精神保健や母子精神保健領域の関係機関との地域連携活動も行う。
著者に『アタッチメントの精神医学』『育児支援のチームアプローチ 周産期精神医学の理論と実践』など。

次の記事ではママ自身が経験した産後鬱について、先輩ママ3人名に本音で語り合ってもらいました。

取材・文/佐藤理奈

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