「少しでもためになる絵本を」と選んでみたけど、子どもにあまり響かなかった!なんて経験ありませんか?絵本はやっぱり、親子で一緒に楽しんでこそ。今回は親子でどっぷり入り込める「没入感」のある絵本をご紹介します。
目次
降矢 なな/作
福音館書店
あらすじ
おじさんの家に行くことになったトカゲの兄弟、ちょろりんととっけー。大事な地図を落としたり、弟のとっけーが迷子になったりと、トラブル続きの道中が生きもの目線で描かれます。
2匹と一緒にハラハラドキドキ!読み聞かせでは大ピンチ のシーンで思わず目をつぶる子もいます。最後まで目が離せません
ベラルーシ民話 スズキ コージ/画
田中 かな子/訳福音館書店
大切な麦をヤギに食べられカンカンに怒ったおばあさん。クマやオオカミ、キツネやウサギがおばあさんを助けようと立ち上がりますが、最後にヤギを退治したのは意外にも…!?
どこか安心感のあるドキドキ感は昔話ならでは。ヤギとの対決にハラハラしながらも、最後は知恵で勝利するというのが爽快!
ペク・ヒナ/作 長谷川 義史/訳ブロンズ新社
いつもひとりぼっちの少年ドンドンが店で見つけた不思議なあめだま。食べるとソファや愛犬がしゃべり出し…。周囲の本音を聞いて愛に気づいたとき、少年に訪れた変化とは?
韓国の自称“人形いたずら作家”、ペク・ヒナさんの作品で独特な雰囲気にも引き込まれます。長谷川義史さんの関西弁もいい味わい。
ケイト・バンクス/文
ナオコ・ストゥープ/絵 浜崎 絵梨/訳
岩崎書店
極寒の北極。家族とはぐれてしまったオオカミの子が、一頭のシロクマと出会います。一人前になるまで我が子のように育てあげるシロクマ。そのやさしさは、2頭が別れた後も連鎖していきます。
めぐりめぐる愛情を感じられる、とてもやさしい絵本。子どもだけでなく、大人も感じるものがある一冊です。
小川 育/作・絵
教育画劇
遊びに夢中になってしまい、すっかり帰るのが遅くなった主人公。ひたひた、かさかさ…。誰かがあとをついてくる?高まる恐怖と緊張感が独特のタッチで描かれます。最後は絶叫!
怖いのが大の苦手な私でも楽しめる怪談絵本。ぜひ大好きな人と一緒にページをめくってください。怖いだけでは終わりません。
トミー・ウンゲラー/作・絵
田村 隆一・麻生 九美/訳
評論社
子どもを食べるのが大好きという残酷な人喰い鬼は、ある日あまりの空腹で岩から転落してしまいます。かわいそうに思った少女ゼラルダが人喰い鬼に得意の料理をふるまったところ…。
タイトルと表紙からして怖さが引き立つ絵本ですが、かわいいゼラルダと、最後のオチにほっこりできます。
鈴木 まもる/文・絵
金の星社
東京を出発し、鉄道で日本一周する旅絵本。新幹線、電車、貨物列車など500以上の列車がスピード感あふれるイラストで描かれています。各地の駅弁や都道府県の鳥も楽しく紹介。
日本中の鉄道列車が全部載っています。自分のまちを走る鉄道も必ずあり、探すのが楽しい一冊です。
松岡 達英/作
人工頭脳を持ち、冷蔵庫にベッド、お風呂や研究室まで備えた“ぼくのロボット”で、世界各国や深海、宇宙までも探検!たくさんの動物や昆虫が登場し、専門的な名前も学べる一冊。
漫画のような絵本ですが、細かいところまで描き込まれていてワクワク!開いたら最後、没頭してしまうこと間違いなしです。
柴田 ケイコ/作
白泉社
ポメラニアンのぽめちゃんは、ふかふかの体に長いまつ毛がチャームポイント。気持ちよくお昼寝しているとねずみくんがやって来て…。最後の楽しくやさしい急展開に一気に引き込まれます。
ぽめちゃんのかわいさにメロメロ!絵本と一緒に親子で体を揺らすのも楽しいです。大好きな人の温もりの中で読んであげてください。
マーガレット・ワイズ・ブラウン/文
ガース・ウィリアムズ/絵
松井 るり子/訳
ほるぷ出版
コマドリが歌い、草木が芽吹く春。野原を駆けまわる子うさぎは、石や木の陰に自分のいえを探します。なかなか居場所が見つからない子うさぎが、やっと見つけたおうちにほっこり。
自分だけの居場所を探す子うさぎの小さな冒険は、子どもたちの心にドキドキと温かな安心感を与えてくれます。春らしい一冊ですよ。
「読んでいても途中で子どもの集中力が切れてしまう」、「家事などに追われてきちんと読んであげられない…」。そんな“読み聞かせあるある”にアドバイスをいただきました。
わらべ歌絵本で歌いながら楽しく
小さなお子さんにおすすめなのは、歌やわらべ歌の本。抑揚などに悩む必要もなく、一緒に歌いながら読めるので、お子さんも飽きることなく楽しめます。また、気力や時間がないときのために、1分ぐらいで終わる短い絵本ばかりを入れたカゴを作っておき、そこから選んでもらうのもおすすめ。「おしまい」と絵本を閉じることを習慣にし、親子で読んだという満足感の経験を重ねていくことが大切だと思っています。
読み方のルールに縛られないで
お膝の上で読む、抑揚をつけて読む、など絵本を読む上でよしとされていることに縛られすぎず、自由なスタイルで絵本を楽しむことが一番だと思います。小さなお子さんと一冊の絵本を読むこと自体、一筋縄ではいかないことも多いので、お母さんもお子さんも心地良い空間で楽しめるといいですね。我が家は床に寝そべって読んだり、家事をしながら横で子どもが開く本を読んだりとさまざまです(笑)。絵本を読む時間が好き!と子どもが思えることが、何より心の栄養になると思います。
\ 選書してくれたのは/
ふわはね さん
関西を拠点に“絵本のつなぎて”として、わらべ歌や手遊びなどを織り交ぜた「ふわはね絵本のある時間」を開催。
Instagram:@fuwahane
谷口亜優美/ayumiさん
Instagram:@ayufurtea3
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