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「味覚センサーは大人の3倍」子どもの野菜嫌いには理由があった!

「味覚センサーは大人の3倍」とも言われるほど敏感な子どもの味覚。苦みや青臭さがある野菜を嫌うのには、“生存本能”という立派な理由があるようです。味覚の食育スペシャリスト、とけいじ千絵さんに伺いました。

野菜の苦みは毒の警告?

 人間の体は生まれた時が一番未熟ですが、こと味覚に関してはお母さんのお腹の中にいる妊娠5ヵ月~生後3ヵ月が一番発達していると言われています。


 体を作るたんぱく質「うまみ」、エネルギー源である「甘み」、ミネラル分である「塩味」は好んで口にしますが、一方で「苦み」は毒の警告、「酸味」は腐ったものと認識し本能的に嫌がります。


 生後5、6ヵ月になると敏感だった味覚が少し落ち着き、噛む力や消化機能の発達に伴い離乳食も始まりますが、1才半~2才くらいになると「おいしい」「まずい」という判断ができるようになり、好き嫌いが出てきます。野菜に多い寒色系(緑、紫など)は熟していない色として嫌がる傾向も。「離乳食期は何でも食べてくれたのに、幼児食期に入り食べてくれなくなった」と悩むママが多いのはそのせい。

味覚を培う「黄金期」

 生後半年から1才半頃までの比較的何でも食べてくれる時期を私は“黄金期”と呼んでいます。この時期こそ「苦み」や「酸味」を含めた多様な味を脳にインプットさせ、味覚を培うチャンス。蓄積された味の記憶が、将来の「おいしい」につながっていきます。

 

 食べさせるなら、野菜本来の味がする旬のものが一番。今の季節なら〇〇や〇〇。冬なら春菊などもいいですね。「え?子どもに春菊!?」と驚かれるかもしれません。もちろん春菊を茹でてそのままというわけではなく、例えばカボチャ煮に、茹でて刻んだ春菊を少量散らすだけで十分です。一口だけでも、口から出してしまっても大丈夫。まずは野菜の味を感じさせてあげることが大事なんです。

好き嫌いのピークは4才

 好き嫌いは4才がピークと言われ、9~10才で減っていくので、子どもが野菜を食べないからといってあまり深刻になる必要はありません。


  でも、乳幼児期は一生の味覚を育てる大切な時期。「食べないから」と諦めずに、食卓に並べたり、遠足のお弁当やお祝いの楽しい食事に少量取り入れたりして、お子さんの「おいしい味」を増やしてあげてくださいね。

◆とけいじ千絵さん

「審食美眼塾」を主宰するフードアナリスト/食育スペシャリスト。離乳期・幼児期から味覚を育てることを目的とした「子どもの味覚の育て方」講座は、予約の取れない講座として人気。著作に『0~5歳 子どもの味覚の育て方』ほか。

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