国産オリーブを届けるために
- 2018/10/29
- 食
小豆島など有名な産地はあるものの、日本ではなじみが薄いオリーブ栽培。新規参入が難しい中、 あえて挑戦している会社が福岡にあるのをご存知ですか?オリーブの魅力とともにご紹介します。
九州をオリーブ大国へ
「九州産オリーブを100%使った製品を作るのが私の夢です」と力強く語るのは、筑紫郡那珂川町にある農業生産法人九州オリーブファームの代表・山本康弘さん。オリーブは生命力が強く、どんな場所でも育ちますが、害虫による被害が多く、見回りなど手間もかかります。そのため、これまで農家が新規で入りにくい業界でした。「植物から採れるオイルの中でもオリーブはずば抜けています。本当に良い物は香りも味も格別。九州産オリーブを通して本物を知ってもらいたい」。
世界に約1300品種あるオリーブのうち、日本では約30品種が栽培されています。山本さんの会社では、提携するイタリアの会社から約20品種を取り寄せ。栽培や繁殖をしながら、農家や自治体へ卸し、栽培の指導もしています。「苗木を確実に育てるために各地域に合った品種を選ぶのが私の仕事です。そして、実った後の商品化にもできる限りの協力をしています」。
代表の山本さんは依頼があれば全国どこへでもオリーブの苗を届けています。
オリーブが持つ可能性
山本さんがオリーブ栽培を始めたきっかけは?「家業の農業を継いで30年の間に、様々な栽培方法を経験をしました。ですが、これからは作った物を加工して提供する“六次産業”の時代です。オリーブは加工しないと商品にならないから、植えた時点ですでに六次産業が始まっています。そこに可能性を感じ、自分の持っている農業の技術を活かしたいと考えました」。
イタリアでは赤ちゃんのミルクに、1滴入れるほど体に良いとされているオリーブオイル。日本でも、もっと気軽に暮らしに取り入れてもらうために「目をつけたのが剪定で捨てていた葉。1年に1回の収穫でオイルを作るだけではもったいないと、お茶を作ってみたところ、飲んだ人から体調が良くなったなど好評価でした。現在、本格的に専門機関で調べてもらっています」。山本さんは葉をまるごと粉砕するために無農薬栽培にこだわりました。「提携している農家さんには完全に無農薬での栽培をお願いしています。とても大変なことですが、子どもでも安心して口にできる本当に良いものを届けたいと思っています」。栽培だけでなく、商品にまで責任を持つことで、その良さが浸透すると考えています。
収穫は9月中旬頃で、1本から約10kgの実が採れます
イタリアから届く最高級オイル、自社開発の酢、お茶、コーヒーなども販売
オリーブ酢ソーダ
材料
- オリーブ酢(穀物酢でもOK) 大さじ1
- 炭酸水 500ml
- 氷 適量
作り方