誰もが知る定番絵本ではないけれど、大好きな1冊ってありますよね。今回は、「他のママにもぜひ読んでほしい絵本」というテーマで読者ママの声を募集!
本誌連載でおなじみのふわはねさんと谷口亜優美さんの監修でお届けします。
監修してくれたのは
ふわはねさん/関西を拠点に“絵本のつなぎて”として、わらべ歌や手遊びなどを織り交ぜた「ふわはね絵本のある時間」を開催。2児のママ。
Instagram:@fuwahan
谷口亜優美さん/京都にて絵本のある子育てを楽しむ絵本講座「さんじのえほん。」を主宰。3児のママ。
Instagram:@ayufurtea3
『だいじょうぶ だいじょうぶ』
文・絵/いとう ひろし
講談社
無理しなくていいんだと思えました。
(まめちゃん/5才のママ)
小さなぼくは、おじいちゃんと散歩をしながら、楽しいことも、不安や悲しみも、さまざまなことを経験します。そんなとき、いつも助けてくれたのがおじいちゃんのおまじないの言葉でした。
まるで呪文のように心に広がる『だいじょうぶ』の言葉。おじいちゃんとの優しいやり取りは、じんわりとあたたかな感動を与えてくれます。世代を超えて読み継いでいきたい絵本です。
『わかってるって』
作/しもかわらゆみ
イマジネイション・プラス
下の子ばかりに構いがちなので、ちゃんと上の子にも向き合えているのか考えさせられました。
(ちっぴ/3才・0才のママ)
弟が生まれて、お兄ちゃんになったちびっこアライグマくん。張り切ってお手伝いを頑張るのですが空回りばかり。自分だけをずっと見ていたお母さんを赤ちゃんに取られるような…。
しもかわらゆみさんの描く愛らしくて繊細な動物描写に、思わず心がキュンとします。人間が主人公だと我が子と重ねすぎてしまうような内容も、動物だからこそ素直に読める、そんな一冊です。
『てん』
作/ピーター・レイノルズ
訳/谷川俊太郎
あすなろ書房
絵もお話も温かくて、子どもをきちんと認めてあげたくなります。
(うさぎ/4才・2才のママ)
絵を描くことが大嫌いな主人公ワシテが、お絵描きの時間に苦し紛れに描いたのは、小さな「てん」。先生がそれを額縁に飾ってくれたことで…。
自分のことを心から信じ認めてくれる大人との出会いが人生を変える。我が子もどうかそんな出会いがありますように。そして自分自身がそんな大人でありたいと思う一冊。
『にげてさがして』
著/ヨシタケシンスケ
赤ちゃんとママ社
いまの子どもたちにこそ 読んであげたい。 内容がとっても深いです。
(そっぴ/6才のママ)
「逃げずに戦うことの大事さを説くお話」がある一方で、「逃げることで新しい可能性に出会うお話」があってもいいのでは?そんな思いが込められた一冊。
50ページ近くありますが、絵と短い文章の構成で、小さな子どもにもわかりやすく描かれているところがヨシタケさんならでは。大人の心にもそっと寄り添ってくれて、優しい勇気をもらえます。
『ネコリンピック』
作/益田ミリ
絵/平澤一平
ミシマ社
そのままのあなたで金メダルなんだよって、子どもだけでなく大人にも教えてくれます。
(コロ/8才・7才・2才のママ)
「よ〜いどんで 走らなくて いいんだってにゃ〜」。ネコたちの大会に決まりごとはありません。十人十色のネコに癒され、ほっこりする絵本。
とてつもなくゆるいけど、とっても深い。子どもにはつい『頑張ってほしい』と思ってしまいますが、新しい生活が始まる春にこそ、この絵本を読んでちょっと肩の力を抜いてみませんか?
0才からの赤ちゃん絵本
『おべんとうバス』
作・絵/真珠まりこ
ひさかたチャイルド
「はーい」というところで 1才の娘も一緒に手を あげて返事をします!
(あいのママ/1才のママ)
お弁当の食べ物が返事をしながら次々に乗り込んでくるバス。食べ物大好き、乗り物大好き、お返事大好きな子どもたちにぴったり。丈夫なボードブックタイプで赤ちゃんにも◎
食べることは、子どもにとって身近にある一番の喜びです。乗り物、食べ物、生き物がこんなに楽しく相まって、子どもたちが喜ばないはずがない(笑)。読み聞かせでも毎回盛り上がります!
『あおい よるの ゆめ』
作・絵/ガブリエーレ・クリーマ
訳/さとう ななこ
WORLDLIBRARY
0才でも指を使って遊べるので、小さい頃から子どもたちのお気に入り♪
(mami/4才・1才のママ)
イタリアでたくさんの子どもたちに愛された「ちいさなゆびで」シリーズ。夜空に星を浮かべたり、チューリップの花を咲かせたり、空に虹を描いたり。スライド式のしかけ絵本。
表紙から子どもが思わず動かしたくなるしかけ。まだ上手にできなくても、大人が動かしながら読み聞かせてあげましょう。赤ちゃんから大きな子まで楽しめます。
わらべうたの絵本
『おべんとうばこのうた』
構成・絵/さいとうしのぶ
ひさかたチャイルド
読み聞かせというより遊べる絵本。
親子のコミュニケーションに
ぴったりです!
(みんみん/2才のママ)
「これっくらいの おべんとばこに…♪」のみんながよく知っているわらべ歌を、そのまま一冊にした歌って遊べるわらべ歌の絵本。
さいとうしのぶさんの描く生き生きとした食べ物たちの表情や動きが楽しい一冊。お弁当箱の中に入るおにぎりやおかずの楽しそうな様子に、思わずおなかもグ〜。子どもたちと手遊びしながら一緒に楽しみましょう!
『へっこ ぷっと たれた』
構成・文/こが ようこ
絵/降矢 なな
童心社
リズムに合わせて読むと めちゃくちゃ笑うので、私もつられて笑ってしまいます。
(あさみ/2才・0才のママ)
おいっちに…ときのこが歩いたり、ページをめくると、ぷっ!とだれかがおならをしたり。リズミカルな繰り返しの言葉とユーモラスでいきいきとした表情の絵が特徴。
へっこぷっとたれた♪のリズムに合わせて体を揺らしましょう。正しく歌おうなんて思わなくて大丈夫。とても愛らしいわらべうたを、親子でふれあいながら楽しんで。
意外な展開も?お話を楽しめる絵本
『つのはなんにもならないか』
作/きたやまようこ
偕成社
オリジナルの節をつけて読んだら子どもが気に入り、寝る前に口ずさんでいます!
(リエ/3才・0才のママ)
おにの子「あかたろう」シリーズ3作目。縄跳びもボール遊びも、普段は邪魔なつのだけど、ある日森へ出かけた4人のおにたちは、つのがあったおかげで命拾いをすることに…。
自分の欠点だと感じる部分も、思わぬところで好きになれるかもしれない。ちょっぴりドキドキする展開で、子どもたちに大人気の絵本です。
『おちゃのじかんにきたとら』
作・絵/ジュディス・カー
訳/晴海 耕平
童話館出版
テンポがよくて絵もかわいい。
子どもが飽きずに何回でも
読んでいます。
(まるまる/4才のママ)
ある日、ソフィーとお母さんがお茶の時間を楽しんでいると、突然現れたとら。とても丁寧な話し方のとらに、食べ物も飲み物も全部取られてなくなってしまいますが…。
世界中で読み継がれている絵本で、日本ではNHK Eテレで原作がアニメ化されたことで、近年話題に。上品なユーモアがあり、おしゃれな一冊。驚きの展開も必見ですよ。
いま注目の絵本作家をPickUp!
監修のおふたりに、最近注目している 作家さんを教えてもらいました!
ふわはねさん注目の作家さん
たなさん
コミック『ごはんのおとも』で累計10万部のヒットを生んだ漫画家さんが作る絵本はヒューマニズムに溢れていて、その世界観に惹き込まれてしまいます。毎回驚かされる展開が本当におもしろく、これからもたくさんの作品を読みたい注目の作家さんです。
『おじいちゃんとパン』
え・ぶん/たな
PIE International
『ここからおいしいよかんがするよ』
え・ぶん/たな
PIE International
谷口亜優美さん注目の作家さん
きくち ちきさん
デザイナーなどを経て33才で絵本作家に転身し、デビューは2012年。まだ若い作家さんですが、歴史あるコンクールで受賞するなど実力派として注目されています。生命力あふれる力強い絵柄が特徴で、その画風にぴったりな優しく力強い文章が魅力的。
『もじもじこぶくん』
文/小野寺 悦子
絵/きくち ちき
福音館書店
『でんしゃ くるかな?』
作/きくち ちき
福音館書店
構成/門司 智子