【特集】小学校入学に向けて「子どもの防犯対策」親から子へどう伝える?

幼稚園・保育所ではいつも大人が一緒だったのに、小学校入学と同時に1人で行動する機会がぐっと増えます。そこで心配の種となるのが“防犯”のこと。


大人から子どもへ、防犯対策についてどのように伝えればいいのでしょうか。全国の幼稚園・保育園・小中学校などでワークショップを行うNPO法人「CAPセンター・JAPAN」の重松和江枝さんに取材してきました。

100通りの怖さよりも1つの安心を教える

親が子どもに防犯対策の話をするとき、「外の世界は、悪い人や危険なことだらけ…」と伝えがちではないでしょうか。でも、実際は悪い人よりも、いい人の方が圧倒的に多く、楽しいこともいっぱい。「〇〇ちゃんになにかあったらどうしよう…」という大人の不安を、子どもに押し付けてはいませんか?

大切にすべきは、怖い事例を教えることよりも、“安心な人、安全な場所”を子ども自身が感覚で知っていることです。その感覚は家庭の日常でも養えます。


例えば、パパの“高い高い”に、子どもが怖くなって「やめて」と言った場合、“パパがちゃんとやめてくれる”ようなこと。そんなふうに日頃から自分の意見が尊重される”安心・安全“な環境を知っていれば、危険な状況を瞬時に察知できて、子どもが「嫌だ」と言えるのです。100通りの怖さよりも、1つの安心こそが防犯のカギとなります。

幼児期でも、自分で自分を守れるという意識を

子どもを守るのは大人の役割ですが、大人がいつもそばにいるとは限りません。幼児期の子どもでも、「自分で、自分を守ることができるんだ!」という意識をぜひ持たせてあげてほしいです。


そのためには、単に子どもを怖がらせるような注意を促すのではなく、子ども目線で具体的にできることを話すこと、一緒にシミュレーションをすることが大切です。

子どもを混乱させる? こんな言葉に気をつけて!

親がよく使う言葉ですが、子ども目線ではないので要注意です。

「知らない人にはついて行かない」

見ず知らずの人でも、いつも見かける人や挨拶してくれる人は、子どもにとって“知っている人”かもしれません。そもそも、性犯罪の約8割は、身近な人や顔見知りが加害者(※)と言われています。相手が誰であっても起こりうることを心得ておきましょう。
※平成29年度内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査」より

「言うことを聞かなかったからよ!」

例え危険な目にあったとしても、それは子どもが悪いのではなく、危害を加えて怖い目にあわせた大人が悪いですよね。子どもに責任はありません。トラブルがあったときに頭ごなしに責めるのではなく、いざというときに子どもが話しやすい環境を日頃から作っておきましょう。

「気をつけなさい」

「わかった~」と子どもは元気よく返事をするかもしれませんが、具体的に何に気をつけなければいけないのかがわかりません。「危険を感じたら、とにかく逃げるんだよ」など具体的に伝えるようにしましょう。

「~したら連れて行かれるよ」

つい怖い事例ばかりを話しがちですが、子どもは大人が思うよりも想像力があるので、恐怖心でいっぱいになってしまいます。「こうしたら大丈夫」と怖がらせないことも大事。危険な目にあったら、「今、どんな気持ち?」と“今”の子どもの気持ちを受け止め、「もう大丈夫だよ」と声をかけましょう。

怖がらせるのはNG!こんなフォローを忘れないで

子どもの心に寄り添った、安心できる声かけを。

「どんなことでも大人に話してね」

誰からであっても怖い目にあいそうになったときに、子どもが大人に話せることが大切です。「話したら怒られるかも…」とならないよう、日頃から「〇〇ちゃんを守るために大切なことだからね」と話しておきましょう。

「知らない人のほとんどは いい人なんだよ」

「知らない人=悪い人」と思わせてしまうと、登下校さえも怖くて不安になってしまう子もいます。ほとんどの人はいい人だけど、ほんの少しだけ怖い思いをさせようとする人がいる、ということを伝えましょう。

「こんなことが起きたら?」を 具体的に一緒に考える

ただ怖いこと、危険なことを教えるのではなく、「もしものお話でこんなことが起きたら、〇〇ちゃんだったらどうする?」と行動の選択肢を具体的に一緒に考えておきましょう。
⇒具体的な事例は次の項目をチェック!

具体的にこんなケースはどうしたらいい?

答えに正解はありませんが、考えて練習することが大切です。

CASE1 「名前を教えてくれない?」と声をかけられたら?

こんなときは…

顔を見かけたことがある人であっても、そんな風に聞いてくる人に、自分のことは教えないよ。自分の名前はもちろん、おうちの場所、おうちの人の名前やお仕事を聞かれても、答えなくていいよ。とにかくその場から走って逃げよう。

CASE2 「道を教えてほしいんだけど」と近づいてきたら?

こんなときは…

大人が小さい子に道を聞くのはおかしいよね。だから聞かれても答えないで、知らない顔して走って逃げていいよ。相手の人と安全な距離(下のイラスト参照)をとることが大事だから、「わからない」って言って立ち止まらなくていいよ。

CASE3 「ちょうどおうちに行くところだったんだ。車に乗って」と手をつかまれたら?

こんなときは…

手を振り切って、走って逃げよう。逃げるためなら、噛みついたり、蹴ったり、暴れたり、どんなことをしてもいいんだよ。交番やお店、「子ども110番の家」など安全な人のいるところまで走って逃げてね。

「子ども110番の家」の場所は親と一緒に確認しておきましょう。(重松さん)

CASE4 「おうちの人に迎えに行ってきてと頼まれたんだ」「お母さんが事故にあって、病院に連れてきてって頼まれたんだ」と声をかけられたら?

こんなときは…

〇〇ちゃんに言わずに、他の人にお迎えを頼んだりしないよ。〇〇ちゃんのお迎えは、お父さんとお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんだけ。だから、そんなときは知らん顔して走って逃げて。特別な叫び声(※)を出したり、防犯ベルを鳴らしながらでもいいよ。
※特別な叫び声とは、お腹から出る「うぉー」という低い叫び声。「きゃー」という高い声は遊んでいるときにも使うので周囲が気づきにくく、相手に弱い者という感覚を抱かせます。

状況や子どもによって対処法は違いますが、実際のシーンを想定してやってみることで経験を重ね、子どもが自信を持つことが大切です。(重松さん)

子どもに伝えておきたい…

安全ルール

話しかけられても答えなくていい

「あいさつは大事」と教えられている子どもは、大人に話しかけられたら「答えなきゃ」と思ってしまいます。でも危険を感じたときは例外、と伝えておくこと。

怖くなったら、走って逃げる

体格も力の強さも、子どもは大人にはかないません。危険を感じたら、とにかくその場から逃げること。瞬発力は子どもの武器です。

逃げるときには何をしてもいい

危険を感じたときは、逃げるためならどんなことをしてもいい。もしつかまれたら、噛みついたり、蹴ったり、暴れたり、叫んだり…。実際に、子どもとシミュレーションしてみること。

怖い目にあいそうになったことを大人に知らせる

「怖い目にあったのは約束を守らなかったから。怒られるかも」と子どもは思いがち。そうではなく、「〇〇ちゃんは悪くないよ。教えてね」と日頃から話しておきましょう。

安全な距離をとる

安全な距離とは、2人が手を伸ばしても届かないくらい離れていること。これくらい離れていれば、つかもうとされても逃げることができます。

未就学児ママが気になるQ&A

Q.ひとりでの登校や遊びに行かせるのはいつからOK?

A.住まいが都心か郊外かでも変わりますし、一概には言えません。ただ、登下校の通学ルートは、小学校入学前から少しずつ練習しておきましょう。例えば、通学路を一緒に歩いてみる、など。注意すべきは、行きだけでなく帰り道も確認すること。また時間帯も子どもが通る時間に合わせることです。子どもが不安な様子なら、「どうしたら安心になれるかな?」と一緒に考えましょう。

Q.やんちゃすぎる息子はどこでもすぐ迷子に…。どうしたらいい?

A.好奇心旺盛な子どもは、「なにか面白いものがないかな~」という探究者なので、その欲望を抑えてついてきなさい、というのは至難の業。「ママが見えるところにいてね」では、大人と子どもでは目線が違うので、見える範囲も変わります。ママが安心するためではなく、子どもが安全でいるためのルールを伝えましょう。「あなたに怖い目にあってほしくないから、この範囲にいてね」と具体的に話すことが大切です。

Q.みんなが使っている防犯アイテムは?※読者ママに調査

キッズ携帯

フルタイムで働いているので、公園遊びやお留守番するときなど、心配事があっても連絡が取れるので便利。 (ぽんちゃんママ)

防犯ブザー

入学時に学校で一斉配布されました。通学が心配でしたが、ランドセルにぶら下げておくと安心です。 (choko)

GPS端末

どこにいるかピンポイントで分かります。ポシェットに入れて、学校だけでなく習いごとにも持たせています。 (さとりな)

防犯グッズは、もしものときを想定して、カバンにつけた状態で実際に使ってみることが大事。また防犯グッズがなくても、「叫び声を出す」「逃げる」など自分の力を使ってできることも忘れないで!(重松さん)

お話を聞いたのは
NPO法人 CAPセンター・JAPAN
事務局次長 重松 和枝さん

1997年に子どもの安心・安全を守るCAP(※)スペシャリストの資格を取得。以来、幼稚園・保育所・小学校・中学校などで「子どもの権利」「子どもへの暴力防止」を専門にプログラム実践に携わる。
※CAP=Child Assault Prevention(子どもへの暴力防止)

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