「年中」の子どもの特徴と成長の目安は?ママ・パパが意識したい上手な接し方も解説!
- 2020/12/22
- 子育て・家族
できることが増え、心身ともに大きく成長する年中の4才児。
精神的な発育が著しいこの時期に悩まされるのが、心の葛藤から生まれる「4才の壁」。
些細なことで怒ったり泣いたり…我が子の気難しさに頭も抱えてしまうパパママもいるかもしれません。
今回は、年中の子どもの特徴を紹介するとともに、子どもとの上手な接し方、4才の壁の乗り越え方を解説します。
本記事をしっかり読んで、来たる「4才の壁」に備えましょう!
年中(4才児)の特徴と成長の目安は?
年中とは?年少と年長との違いは?
保育園や幼稚園などを含む教育現場では、4月2日から翌4月1日までの誕生日の子ども達が1学年とされます。
4月1日時点で
満3才➡︎年少
満4才➡︎年中
満5才➡︎年長
とクラス分けされます。
満4才の子ども達を保育園や幼稚園では「年中組」と言いますが、習いでごとは「年中コース」とされることもあります。
年中組に通っている間に5才の誕生日を迎えるので混同されやすいのですが、「4才児クラス」と表現することもあります。
平均的な身長と体重は?
身長:95.1cm~98.7cm
体重:約15~17kg
個人差はありますが、赤ちゃんの頃と比べるとずいぶんと大きくなり、大人の頭身に近づいてきます。
年中の身体的特徴は?
運動能力がぐんと伸びる時期です。
バランス感覚が養われることで、片足ケンケンやスキップができるように。ボール投げも上手になります。
また、手先も器用になり、ボタンのかけ外しやハサミ、ヒモのような細かい作業ができるようになります。
ただ、できることが増えてもまだコントロールが難しいところもあり、怪我や事故が増える時期でもあります。注意して見守りたいですね。
年中の知能・精神的特徴は?
記憶力がよくなり、知能と言語が発達する時期です。
「きのう」→「きょう」→「あした」のような時間の流れが分かり、時系列に沿った話し方ができるようになります。
自分と他人の区別がつき、自意識が芽生えます。少しずつですが、自制心が芽生え我慢できることも増えてきます。
想像力が豊かになり、作り話ができるようになります。時に現実との境が分からなくなることも年中さんの特徴でもあります。
そのため親から見ると嘘をついていると思う場面が出ることも。
わざとでない時は強く責めすぎず、見守りながらその想像力の豊かさを楽しんであげたいですね。
年中の子どもと親が直面する「4才の壁」
4才の壁とは?
年中になると、大脳が発達し、理解力や認知能力がぐんと伸びます。
認知能力とは、自分と他者を区別したり、他者の気持ちがわかる力のことです。
もちろんこの能力は、ある日突然成長するわけではなく、日々葛藤を繰り返しながら少しずつ伸びていきます。
その葛藤の最中は気持ちのコントロールが難しく、急に泣いたり怒ったり不安定になります。
この時期の心の葛藤を一般的に「4才の壁」と呼び、その気難しさにパパママはもちろん、園の先生も対応に苦労することがあります。
4才の壁、これまでの反抗期との違いは?
大人からすると、扱いが難しい「4才の壁」。では、子ども自身はどのように感じているのでしょうか。
年中になってできることが増える一方、まだまだ思い通りにならないことも多いこの時期。
そんなギャップに対するイラつきや、急激な自分の成長に対する戸惑いや不安を上手く表現できず、それが「4才の壁」で見られる、いわゆる「問題」行動に表れます。
実は、子ども自身がそんな自分の複雑な気持ちと頑張って戦っていたのです。
では、具体的にどんな行動に出るのか、その特徴を見ていきましょう。
- 言うことを聞かない
何か注意すると「今やろうと思ったのに」と口答えする、話を聞かないふりをする、「なんで?」と聞いてばかりで言うことを聞かないなど、の様子が見られます。
2才のイヤイヤ期と異なるのは、年中になると自分の気持ちを伝えられるようになっているということ。
反抗的な言葉を聞くと冷静でいられなくなってしまう、と悩んでいるパパママも多いようです。
- 乱暴になる
気に入らないことがあると暴れる、汚い言葉を言う、叩くなど暴力的になってしまうことも。
注意してもヒートアップすることが多いので、お手上げになってしまいますね。
- 思い通りにならないと泣きわめく
運動会で1位になりたかったなど嫌なことがあるとふてくされる、泣いて暴れるなど、自分の要求が通らないと主張が激しくなります。
泣いている途中でなぜ泣いていたか理解できず混乱することも。
- 今までできたことをやろうとしない
幼稚園・保育園に行くことを急に嫌がったり、着替えや食事などできていたことをやらなくなったり。
赤ちゃん返りのような甘えが出てくるのも特徴です。
年中の子どもとの上手な接し方は?
そんな自分の変化に戸惑いを感じている年中さん。
どのように接していくといいのか、見ていきましょう。
頭ごなしに叱らず話を聞く
反抗的な態度をされるとついカッとしてしまいますが、そこでいきなり怒るのは逆効果!
まずひと呼吸おいて、なぜ怒っているのか子どもに聞いてみることから始めてみましょう。
また、嘘をついている時も、本人は空想話をしているだけ、ということも多くあります。その場合、我が子の空想世界を楽しむくらいの気持ちで付き合ってあげましょう。
ついてはいけない嘘を話している時は、冷静になぜいけないか理由を話すようにしたいですね。
汚い言葉を使ったら
「バカ」「大嫌い」などの言葉には過剰反応しないことが大切です。反応することでエスカレートさせてしまうことがあるためです。
「そんなこと言われて悲しい気持ちになったよ」となぜいけないか冷静に伝えることをオススメします。
すぐに改善されませんが、気長に言い続けることを意識しましょう。
ケンカは見守る
お友達や兄弟とケンカになった、そんな時は社会性を身につける絶好のチャンス!
つい制止したくなりますが、自分の思い通りにいかないことを知ったり、妥協点や解決方法を自分で見つけるいい機会です。しばらく見守ってあげましょう。
なかなか収束しない時は双方の言い分を聞き、代弁してあげて「どうしたらよかったのかな?」と自分で考えるよう促したいですね。
ケンカの経験が、お友達の気持ちを考える、自分たちで解決する、そんな力を育んでくれます。
甘えを受け入れる
お兄さんお姉さんに見えることが増えても、まだ生まれて4年しか経っていない小さな子どもです。まだまだ甘えが必要な年齢であることを忘れないであげたいですね。
自分でできていたことを「やって」と甘えられると、親心として心配になりますが、ぜひ受け入れてあげてください。子どもは甘えと自立を繰り返しながら成長します。
十分に甘えが満たされることで、また自分でやろう!と頑張れるのです。
甘えを許すと自分でできない子になるのでは?と不安になるパパママも多いのですが、「甘え」と「甘やかし」は違います。
子どもから求めてきたものは「甘え」、子どもに求められていないのに自分でできることをやるのが「甘やかし」です。
「甘え」は子どもの成長に欠かせないエッセンスなので、求められたら応じてあげましょう。
まとめ
身体だけでなく、精神的にも大きな成長が見られる年中の4才児。
親子にとって大変な「4才の壁」の時期は、子どもの成長が逆戻りしているように不安を感じてしまうかもしれません。
ですが、お子さんが成長するために必要な過程であって、立派に成長している証拠です。これを乗り越えるとまた素晴らしい成長を見せてくれますよ。
いつも頑張っているパパママ自身のことも褒めてあげて、程よく息抜きしながら子育ての時間を楽しんでいきたいですね。
リトル・ママ認定ライター 荻野目えりか