子どもを創造的(クリエイティブ )に育てるためのデジタルツールの使い方
- 2018/1/25
- 子育て・家族
デジタルツールを子どもに与えて良いのか、心配ですか?
「生活を豊かにしたい」という気持ちが、私たち人間の技術を発展させてきました。便利にしたい想いが家電を生み、洗濯機は乾燥までやってくれるし、トイレはおしりを洗って自動で流してくれるまでになっています。
そして技術は、数々のできなかったことも可能にしてきました。「離れた所にいる人と早くコミュニケーションを取りたい」という昔からある人間の想いが、狼煙(のろし)から始まり、飛脚、電信、電話へと技術を発展させてきました。携帯電話が普及してからは、電話からメールへ、そしてLINEなどのメッセージアプリへと進化しています。それに伴ってコミュニケーションの形も、言葉だけじゃなくて絵文字やスタンプなど変化してきました。
でも、いざスマートフォンやタブレットを子どもに与えるとなると「まだ早すぎるんじゃないか」と躊躇してしまう方も多いと思います。詐欺や乗っ取り、ネットいじめなどのニュースもあるし、なんとなく怖い気もしますよね。
一方で、デジタルツールはこれまでできなかったことを可能にしてきたわけです。私たち親の世代がケータイやスマホを持ち始めた頃に比べると、できるようになったことが格段に増えています。それは子どもにとって良いこともいっぱいあるんです。
このコラムでは特に、デジタルツールによって可能になった、子どもたちを「創造的(クリエイティブ)」にする使い方について考えていきます。
改めまして、こんにちは。私は、芸術工学博士で起業家でクリエイターの中村俊介と申します。
子どもの時の夢は大工さんで、大学は建築学科に進んだのですが、バイトで始めたプログラミングが楽しくなっちゃって、大学院でメディアアートを作り始めてそのまま起業してクリエイターになりました。例えば、誰でも体を動かすだけで演奏できるこんな作品 を創ったりしています。
現在5歳の娘が1人います。生まれたときにまず最初に買ったのが娘専用のiPod Touch。赤ちゃんの頃からガラガラになったり見守りカメラになったり大活躍でした。その後1歳過ぎてからはiPadにグレードアップ(笑)。お絵かきしたり音を鳴らしたり、自分やパパママのの写真や動画を見て喜んだり、これまた大活躍です。
ところで、私はもともとデジタルガジェットが好きで、便利で楽になるなら何でもOKだと思っているので積極的に娘に与えちゃってますが、案外、子どもにデジタル機器を与えることに対してネガティブな人が多いんですね。
その原因はおそらく、YouTubeとソーシャルゲームでしょう。親にはよくわからない動画をひたすら見続けたり、ゲームばかりやってたり、というイメージなんだと思います。言い換えればそれって、自分の子どもが消費するだけの人間になるんじゃないかという不安なんです。
だけど子どもって、本来とってもクリエイティブ。生まれたときからみんな創造性の塊です。
ソニー生命の調査によると、中学生男子が将来なりたい職業は、1位「ITエンジニア・プログラマー」、2位「ゲームクリエイター」、女子は1位「歌手・俳優・声優などの芸能人」、2位「絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)」なんだそうです。
中高生が思い描く将来についての意識調査2017
つまり子どもは「何かを創りたい&表現したい」んです!
でも、それができるようになるまでの敷居が高い(と思い込んで)いるのではないでしょうか。実は、その「敷居を下げる」ことが最も得意なのがデジタルテクノロジーなのです。
というわけで、自分の子どもにYouTubeの代わりにやらせたくなる、2歳からデジタルクリエイターになれちゃうiOSアプリをつくりました。
「paintone(ペイントーン)」といいます。無料です。
絵を描いて、それに音をつけて並べることで、「触ったら音の鳴る絵」が直感的に創れます。
(リンク先の絵をクリックすると音が出ます)
こんなふうに、つくったものがずっと残っているのもデジタルの良いところですよね。
そしてこのアプリ、何が良いかって、子どもにタブレットを渡して遊ばせておいても、ある種の罪悪感が全然ないということです。映像を見せて子育ての手を抜いているわけではなくて、子どもは作品を作ってるんですよ!
というわけで、次回から子どもをクリエイティブにする方法を、方法論や具体的なアプリの使い方を織り交ぜながら紹介していきます。
クリエイティブ教育ラボ 所長
中村俊介