
多くの食品に含まれる添加物。普段あまり気にしていないという人も、基礎知識を押さえておくと安心です。食品の選び方や上手な付き合い方を、ナチュラルフードコンサルタントで2児のママでもある川田麻実さんに教えてもらいました。
Q.そもそも食品添加物って何?
食品添加物は、食品の味や独特の食感を良くする、食品を長持ちさせるためなどに使われる、保存料、甘味料、着色料、香料などのこと。日本には1,500種類以上あり、私たちの食生活を便利で豊かにしています。
Q.添加物をとりすぎるとなぜいけないの?
添加物は様々な役割を果たしていますが、とりすぎると、味覚異常を起こしたり、腸内環境が悪化してアレルギーやがんなどのリスクが高まったりすると言われています。また、小さな頃から食べ続けると味の濃いものを好み、偏食に繋がる可能性も指摘されています。
※日本国内で使用されている食品添加物は安全性が確認されており、健康への悪影響がないとされる「一日摂取許容量」(ADI)を、大きく下回っています。(厚生労働省「よくある質問(食品添加物)」より)
Q.特に避けたい添加物は?
①亜硝酸ナトリウム
②グルタミン酸ナトリウム
③異性化糖
①は主にソーセージ、ハム、ベーコンなどお肉の加工品に含まれ、発がん性作用が強いと言われています。②は、脳に悪影響があるとして禁止している国も。
③は「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」など甘味料のことで、砂糖より甘みを強く感じ、味覚を鈍くする可能性があります。食品パッケージに記載の原材料名で確認しましょう。
Q.無添加やオーガニックの記載があれば安心?
パッケージに「化学調味料無添加」「食塩無添加」などの表記があっても、原材料名をよく見るとほかの添加物が多く使われていることも少なくありません。しかし「無添加」を前面に出すということは、こだわりのある食品との意思表示。原材料名を確かめながら上手に選びましょう。
また、オーガニック(有機)は厳しい審査に合格した商品で、野菜は農薬、化学肥料などを極力使っていません。何を選べばいいか迷ったら、「有機JASマーク付き」のものを選ぶのもオススメです。

原材料をチェックしよう!
材料の割合が多いものから順に明記され、「/」の後にあるのが添加物です。購入する際は、原材料名を確認しましょう。
気にしすぎてストレスに…上手く付き合うには?
添加物を気にしすぎて、疲れているのに手作りにこだわったり、いい食材を選んで家計に負担がかかったり…。避けて通れない添加物だからこそ、負担にならない付き合い方が大切です。
例えば「極力添加物が少ないもの」「これだけは避ける」など、少し意識を変えるだけでもOK。冷凍食品やお惣菜、お弁当などに頼った時は、次の食事に気をつけるなど、無理のない範囲で自分ルールを作るといいですよ。
子どもが好む食材によく使われる添加物
子どもが好んで食べる食材によく使われている食品添加物の一部をご紹介します。
出典:食材宅配の生活クラブ生協『すくすくBOOK』より
グリシン
※表示名は「調味料(アミノ酸等)」「安定剤」「ph調整剤」
役 割
うま味を付ける、日持ちを良くする
問題点
塩分を感じにくくなり、塩分のとりすぎになる可能性がある
主に使用されているもの
弁当、サンドイッチ、おにぎりなど
コチニール色素
役 割
着色料(赤)
問題点
アレルギー症状の原因の可能性がある
主に使用されているもの
漬物、かまぼこ、赤色のお菓子など
カラメル色素
役 割
着色料
問題点
4種類ありⅠ以外は発がん性物質 の生成などの可能性がある
主に使用されているもの
ソース、菓子、飲料など
川田さん愛用の調味料&食品
しょうゆ

「ビオ・マルシェオリジナル有機醤油」
いつも“天然醸造”と記載があるものを選びます。
み そ

「家傳 山吹」
材料は大豆・米・塩のみで、「無添加」表示も決め手に。
油

「まいにちのこめ油」
国産原料のみ使用のこめ油。ビタミンEが豊富です。
みりん

「味の母」
料理酒入りで便利な上に、食材のうま味が引き立つ。
おやつ

「純国産 北海道きなこねじり」
噛み応えもあって子どもたちが大好き♪
レトルト

「秋川牧園のレトルトこどもキーマカレー」
化学調味料、酵母エキス、増粘剤、乳化剤は不使用。
■購入場所 「しょうゆ」…「ビオ・マルシェ」(ネット通販あり)、「おやつ」「レトルト食品」・・・スーパー『ビオセボン』(ネット通販あり)、「みそ」「こめ油」「みりん」…スーパー
教えてくれたのは

ナチュラルフードコンサルタント
ママと子どもの健康を栄養面からサポートする「マミーメイト」代表。栄養士/幼児食アドバイザーの資格を持つ。5才・1才の2児のママ。
Instagram:@asami_kawata
取材・文/佐藤理奈