取材協力:つるのぼるクリニック(福岡県福岡市中央区)津留徳先生
目次
「おねしょ」と「夜尿症」は、夜寝ている間に無意識に排尿してしまうことでは同じですが、違いは年齢にあります。
排尿のコントロールが発達段階にある4才くらいまでの夜尿は「おねしょ」、5~6才以降は「夜尿症」といいます。
一概には言えませんが、5才を過ぎても月に数回程度以上寝ている間に排尿する状態、また大人になっても年に1回でもあるのなら、夜尿症と診断されるでしょう。
昔はしつけのせいなどといわれていましたが、現在では遺伝性であるケースが多いということが分かっています。
「夜間の尿量が多いこと」「膀胱が小さいこと」が主な原因で、次の3つのタイプに分けられます。
上記の膀胱型と多尿型の両方が原因で起こります。
また、乳幼児期から継続している夜尿を「一次性夜尿症」というのに対し、6ヵ月以上排尿のコントロールができていたのに、なんらかの誘因で夜尿をみとめるようになった場合を「二次性夜尿症」といいます。
二次性の場合は、心理的ストレスなどの要因もあると考えられています。
夜尿症のほとんどは中学生くらいまでに自然治癒しますが、心理面・生活面に大きな影響を与えるため、早めの治療をおすすめしています。
治療は、水分・塩分を調整するなどの生活療法、抗利尿ホルモンや膀胱に尿を溜めやすくする抗コリン剤を補充する薬物療法、下着にセンサーをつけて夜尿を知らせるアラーム療法などがあります。
治療を受けた方が、自然治癒を待つより早く治癒しますので、5才を過ぎても月に数回程度の夜尿があれば、早めに小児科で相談しましょう。
(取材・文/門司智子)
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