産後は睡眠も十分に取れず、また出産による傷の痛みなどもあるため、人間の3大欲とはいえ性欲が後回しになるのは決して不自然なことではありません。
女性ホルモンの「エストロゲン」は、妊娠中は胎児の成長を育むホルモンとして急増しますが、出産直前にピークを迎え、産後急激に減少。ホルモンバランスは著しく変化します(※グラフ参照)。
その影響で、脳の神経細胞のはたらきが変化し、不安や孤独を感じ、イライラしやすくなります。
授乳とセックスで分泌されるホルモンは同じ?
通称“幸せホルモン”で知られる「オキシトシン」は愛情を強めるホルモンで、セックス中のほか、授乳中など赤ちゃんと触れ合っているときにも多く分泌されます。女性の性欲とオキシトシンとの関係は明らかではありませんが、赤ちゃんと触れ合うことで精神的にも身体的にも満たされてセックスレスになる可能性はあります。
また、オキシトシンは愛情だけでなく、他者への攻撃性を強める作用があることもわかっています。これは、守るべきもの(大切な赤ちゃん)への執着から、例えば育児に非協力的な夫に対して攻撃的になり得るということ。反対に、協力的な場合にはより愛情が深まります。
“寄り添い”の気持ちを示せば円満な夫婦関係が築けるという実験データもあるので、産後により良い関係を築くためには、お互いの気持ちに耳を傾けることが大切だと思います。