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「手伝って」と言える仲間を作る-すべてのママに知ってほしい “これからの子”の育て方

みんなが生きやすい社会って?
その答えを求めて、障がい者や性的マイノリティの方々を支援しているお2人に話を聞きました。「どんどん変わりゆく社会に適応できる子」を育てたいママに、知ってほしい話です。

「手伝って」と言える仲間を作る

壁に利用者の絵が飾られている「三宅のアトリエ」(南区)。取材時も制作真っただ中!

自立した子を育てたい―それは、多くの親の願いですよね。私たちの施設「工房まる」も、目指しているのは自立です。この言葉は、「何でも自分でできること」と思われがちですが、実はそうではありません。つらい時や困った時があれば、普通は友達に相談したり一緒にやっていく人を探したりするでしょう?そういう「手伝って」と言える仲間を作ることが、本来の自立なんです。

もうすぐ完成?カラフルなお花の絵。机には絵具やペンなどがずらり

工房まるが開所した20年前、多くの福祉作業所では内職作業を安価で受注していました。でも、私たちはそのやり方に疑問を持ち、利用者の可能性を広げたいと考えました。魅力的な商品を独自に作って、おしゃれなお店で売ることができたら、それを手に取った人の価値観が変わるかもしれない。そう思って、かわいい雑貨を作り始めたら、お店で買った人が施設を訪ねてきてくれたんです。利用者も、「自分たちの作ったものが人に喜ばれた」とやる気が芽生えたようで。今では、企業からパッケージデザインなどの依頼が来ますが、その時も、参加者を募ってコンペのようなことをします。採用されたら自信がついて「もっといいものを」と頑張るし、採用されなくても、次の目標があるからまた頑張る。彼らの心はとても豊かです。

メンバーはみんな和気あいあい。この「ゆるさ」「楽しさ」がまるの魅力

障がいとは、「その人」にあるものではありません。例えば、コミュニケーションが苦手な人がいても、「人の集まるところに行きたい」と思わなければ、障がいは生まれませんよね。社会と関わろうとして、初めてそれが障がいになる。ということは、障がい自体は社会にあるんです。私たちは、そんな社会と接点を増やすことで、ゆるやかなムーブメントを起こしています。障がいがある子のお母さんも、その子とハッピーに生きていくために、地域と関わりながら「できる」を探していってほしいと思います。

NPO法人maru代表理事 樋口龍二さん

福岡市内に3ヵ所ある、障がいのある人がアート活動を通して自立するための福祉施設「工房まる」を運営する法人の代表理事。発達障がいの子の夢を叶える行政とのプロジェクト「チャレキッズ」の委員長を務めるなど、活動は多岐に渡る

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