さて、ここにおります2人のニッポン男児。男性保育士の草分け的存在である、まあせんせいこと菊地政隆先生と ママを応援し続けるパパ代表、弊社代表の森光太郎が、真の“イクメン”について激アツトークと相成りました。 保育のプロから3才の息子を持つ森パパへ、“イクメン”指南とまいります。ママたちへ「パパ育て」のコツも伝授いたしますぞ!
撮影/古谷利幸 取材・文/松本裕美
保育界のカリスマ
まあせんせい
菊地政隆(きくち まさたか)
実家が保育園という環境で育ち、保育の専門性にひかれてその道に。“まあせんせい”の愛称で親しまれ、TBS「情熱大陸」など多数のメディアに出演するほか、講演や親子コンサートで活躍。現在は複数の保育園で園長を務め、著書も多数。
子育て真っ最中のパパ代表
リトル・ママ社長 森 光太郎
“イクメン”という像に縛られていない?
昨今定着している“イクメン”という言葉だけれど、おんぶ紐して、ベビーカー押して…とパパっぽいスタイルでいなきゃいけないというイメージがあるでしょう。
ありますね。
なんだか型にはめすぎているような気がするんですね。
外で一生懸命働いて、どうしても家にいる時間がなくて、育児に関わる時間が少ないパパもいますよね。そんなパパは“イクメン”じゃないのか?という。
それは違うと思うんです。実際に子どもといる時間が短くても、子育てが下手でもいい。そこに気持ちがあるかないかが、大切なこと。それを僕は「心のイクメン」って呼んでいるんですけどね。
心のイクメン!
そう。見た目ではなく、子どものことを思う心がそこにあるかどうか。どんなに仕事が忙しくても、ちょっとした言葉遣いとか、行動に出るんですね。“非イクメン”と言うのは、子どもに無関心でいることだと思います。
なるほど。
パパの立場を奪うママが急増中!
子育ての仕方が分からないというパパが多いと思いますね。子どもが生まれてすぐのときは、妊娠から出産までを体験してきたママとは母性の部分で思い入れが異なります。パパは子育てにどう関わっていいかわからないままでも日常が成り立っちゃうから、その後もノータッチ。それで、結局ママがパパを疎外しちゃうわけです。
立つ瀬がなくなります…。
パパを“心のイクメン”に育てるのはママですよ。
育児書などで、「ママは完璧ではなくていい」といいますよね。でもママ会でイクメンの話で盛り上がってしまい、よそのパパと比較したり理想のイクメン像をそのまま夫にぶつけたりしている、という話を巷でよく聞きます。言いたくなる気持ちもわかりますが、パパ側の立場からすると、これは逆効果ではないかと…。
パパ、ツライな〜!
パパが育児に参画したくなる魔法をかける
僕が保育園でやっていることは、保護者の方に子どものいいところをどんどん伝えてあげるんです。その日の出来事をとにかく具体的に話す。子どもと楽しい時間を持った保育士からの話を聞けば、仕事に忙しいママ・パパも子どもにより興味が向くんですね。
これはパパにも同じことが言えて、育児にもっと参画したくなるようなかたちをママがつくってあげることが大切です。それは、“子どもの成長”を“毎日”伝えること。「こんなことできるようになったよ」とか「寝る前にパパと遊びたいって言ってたよ」とか。どんな小さなこと、些細なことでも結構。ちょっと話を盛ったっていいんです(笑)。
確かに。僕の知らない子どもの一面を妻ばかりが知っていると思うと悔しくなります。
子どもの自我が芽生える3才までの時間は、手がかかるけれどとてもかわいい時期なんですよね。そしてこの時期の成長は著しい。たぶん、いま育児に積極的に関われているパパは、子育ての「今しかない」時間に気づいちゃっている人なんだと思います。
イクメン度合いは十人十色である!
子育てには、具体的な善し悪しは関係ない、一人ひとりの“イクメン”度合があるんだと思うんですよ。
100人いたら100通りの答えですよね。よそのご家庭と比較されたら、パパもツライです。僕も息子と男同志でよく出かけるんですが、これが楽しくて。「かわいいですね」と、女性に声をかけられることもあってね…。
そこですか!(笑)
いや、それも含めて、子どもの世界を見ることができるのはおもしろいんです。そうやって楽しさがわかってくると、「じゃあまた今度行こうぜ!」ってなるわけですよ。
そういうの大事ですよね。一緒にいる時間はもちろん、パパの心の中で子どもとの思い出をつくることが重要なんですから。理由はなんでもOK!
いろんな“イクメン”がいるということですね。“心のイクメン”は比較できない、と。
こういう話をパパ同士で軽~い感じで話せるコミュニティがもっと増えるといいですよね。『リトル・パパ』なんてどうです?つくってくださいよ!
ハイ、考えておきます…。