「成長痛」は、体の成長に伴う痛みと思われがちですが、実は心理的なものが深く関係しています。
「子どもが夜に足が痛いと泣いて困っています」と来院される方が増えるのが春。春は入園、入学、新学期、引っ越しなど、環境の変化などにより、いつの間にか子どもの心に自然とプレッシャーがかかり、子どもが一番言いやすい表現として足が痛いと言っていると考えています。
それに春になると遠足や運動会の練習など体を動かす機会が増え、疲労感も重なって痛いと訴える場合も。実際、冬に子どもの足の痛みが原因で来院する方はほとんどいません。
また下の子が生まれて、自分だけのママではなくなった寂しさから足が痛いと言い出すこともあります。特に3才~小学校低学年によく見られ、昼間は元気に走り回っていたのに、夜になると痛がるのが特徴で、翌日には痛みが治まります。
ちなみに15才くらいの成長期に心理的要因で足の痛みを訴える子はほとんどおらず、スポーツなど何らかの負荷がかかって故障するなど、具体的な要因で痛みを伴います。
たまに、成長痛は体(骨)が成長している証と思われている方がいらっしゃいますが、そもそも腕や肩など、体全体が成長しているのに、足だけ成長痛があるなんておかしな話。もし小さな子どもが足が痛いと言いだしたら、まずは環境の変化がなかったか、思い返してみてください。