ランドセルは、日本の風土の中で磨かれてきた「小学生のパートナー」であり、小学生がランドセルを背負うのは日常の風景です。
昨今は、メディアや地方行政のトップが「ランドセルは重い」「夏場はランドセルで暑くなる」などと発言するシーンも見られます。「ランドセル症候群」という言葉も出てくる始末ですが、この一冊を読めば、そうした意見に根拠がないことが理解いただけると思います。ランドセルを知れば知るほど、他の鞄では代用できない機能や、デザイン性、トータルコストなど多くの優れた面が分かり、「やっぱりランドセル」となることでしょう。
ランドセルのショールームでは、保護者が実際にランドセルを背負ってみて、「軽い! 背負いやすい!」と驚く場面が多く見られます。「軽さ」は購入時の大きなポイントになっており、そのニーズに呼応するように、どんどん軽くなっているのです。重いのはランドセルではなく、中に入れる教科書や教材。他の形状の鞄に変えたから軽くなるわけではありません。ちなみに信州大学の実験では、小学生低学年66人を対象に、1,100gのランドセル、及び1,000gと900gのナイロン製リュックを背負わせて比較したところ、70%の子どもが「ランドセルが一番軽い」と回答した、という結果でした。
また、行き過ぎた軽量化は安全性や耐久性の低下を招きます。ランドセルはそのバランスを保ち、背負ったときに感じる「体感荷重」を軽くする工夫や、子どもにできるだけストレスを与えない「身体負荷」の軽減が図られています。例えばナイロン製などでは同じことはできません。だからこそ多くの保護者が「軽い! 背負いやすい!」と驚かれるのです。
ランドセルの背中部分は、クッション材を何層にも重ね、複雑な成型加工が施されています。そのため背中との接触面が少なく、空気の通り道も確保されているため、リュックなどの形状と比較して蒸れにくく、暑さを和らげる作りになっています。この事実は、愛知工業大学の牧野敦教授の指導のもと、名古屋市工業研究所で実験を行い、科学的に立証されています。
箱型で補強もされているため、衝撃を受けても本体の変形が極めて少なく、中に入っている教科書やタブレットなどを守ります。この強さが、6年間毎日使い続けられる耐久性にも繋がっています。また、カブセ部分には撥水加工がされているため、雨に打たれても水が中まで浸透することがほとんどありません。
背負い鞄なので、子どもは両手が使えます。万一後ろに倒れた時にも後頭部を保護。さらに、暗い道でも遠くから視認できるよう反射材を装備し、何よりランドセルを背負っていることが小学生の証しであるため、走行中の車や地域の人たちに〝安全の確保=見守り〟を促してくれる役割も果たします。
下のグラフが示す通り、どのランドセルを買うのか決める〝決定者〟の約8割が子ども本人。購入の理由も、子どもの好きな色が半分を占めています。今では、6年間使うものを自分で選ばせ、自発性を促すことが教育の一環と捉えられています。
ランドセル選びをする際には、「こんな色が好きだったんだ」などと子どもの成長を感じ、一緒に選ぶプロセスも楽しみながら大切な思い出にしてほしいと思います。
※本記事内の数値・グラフは全てランドセル工業会のデータより。
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こどもがまんなかPROJECT監修「ランドセル読本2024」より
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