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【医師監修】「産後うつ」の効果的な予防方法は? どんな人がなりやすいの?

待ちに待った赤ちゃんが産まれた!

子育てを一生懸命頑張りたい!

そんな時期にも関わらず、出産後は、気分が落ち込みやすい時期です。

どうしてなのでしょうか。

また、そうなってしまった場合、どうしたらよいのでしょうか。

マタニティーブルーズというのは、産後1週間くらいまでに生ずる、気分の落ち込みのことです。出産後の女性の約30〜50%が経験します。

産後数日から2週間の間に、軽度の精神症状(落ち込みなど)が出現します。10日〜2週間程度で自然に症状が改善する一時的なものである場合が多いですので、あまり心配しすぎなくても良いでしょう。

「この時期はそういう時期なのだな」と、本人や支えるご家族が知っておくといいですね。

 

 

◇マタニティーブルーズの症状

・涙もろさ

・気分の落ち込み、不安

・イライラ

・集中力の低下  など

 

 

マタニティーブルーズは一時的な軽い抑うつ状態ですが、2週間以上マタニティブルーズのような症状が続く時は、「産後うつ病」を疑い、注意が必要です。

注意が必要な「産後うつ病」の症状

出産をした女性に発症し、精神的な症状が持続する病気です。

産後うつ病が発症する時期は、産後1ヶ月以内に多いとされていますが、数ヶ月してから発症する場合もあり、様々です。

厚生労働省の資料によれば、産後女性の10%程度にうつ状態が疑われるとの報告があります。

特に、初産婦においてその傾向が強いですが、第2子以降でも出現する可能性は十分にあります。重症化した場合、子どもへの虐待や自殺などのリスクにつながることもあります。

 

 

◇産後うつ病の症状

・気分が落ち込む

・イライラする

・食欲低下または増加

・不眠または睡眠過多

・疲れやすい

・否定的な考え方をする

・無関心になる

・楽しいことを楽しいと感じない

・自殺を考える時がある など

 

 

*「エジンバラ産後うつ病 質問票」を使って、セルフチェックすることができます。

* 精神的な症状だけでなく、身体的な症状として現れる場合もあります。

産後うつ病の原因は?

なぜ妊娠・出産で気分が不安定になるのでしょうか。まだはっきりとした原因はわかっていませんが、妊娠中に非常に多く分泌されていたエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが産後急激に低下することが一因と言われてます。

また、慣れない育児に対する不安や生活環境の変化も関係していると言われています。

「産後うつ病になりやすい人」ってどんな人?

以下のような人は産後うつ病になりやすい傾向があります。

・マタニティーブルーズになった

・妊娠前や妊娠中にうつ病などの精神疾患にかかったことがある

・産後うつ病になったことがある

・近親者にうつ病の人がいる

・心配事がある(経済面、夫婦関係、サポート不足)

・真面目で完璧主義な人

産後うつ病の治療方法は?

マタニティブルーズは自然に改善するもので治療は不要なことが多いですが、産後うつ病は治療が必要です。

うつの症状が見られたら、放置することで悪化したり、長期化する恐れもありますので、すぐに専門家に相談してください。

 

精神科やメンタルクリニックなどを受診するのがお勧めしますが、受診するのにためらいがある場合は、出産した産院や地域の保健所で相談してみましょう。

産院での産後2週・1ヶ月健診、保健師による新生児訪問があれば、その際に相談しても良いでしょう。

 

なお具体的な治療の方法は、一人ひとり症状によって異なりますが一般的な「うつ病」と基本的には同じです。環境を調整すること、および、内服薬での治療となることが多いです。

「産後うつ病かも」と思ったら家族がすべきこと

本人が連絡するのが難しそうな場合は、家族が専門家に相談してあげましょう。できるだけ休ませる環境を作ってあげてください。症状が強い場合には、ママと赤ちゃんが二人だけになるような環境は避けた方が良いでしょう。

産後うつ病の予防方法

ひとりで溜め込まずに、できる限り、人と話すようにしましょう。たとえ解決策が見つからなくとも、話を聴いてもらえたということで、不安感から救われる可能性は十分にあります。

 

また、家族や周囲の人は、意識的に本人の話を聴くことをお勧めします。

相談されたといっても、結論を出すことを必要としていない場合もあるでしょう。

できるだけ無理をさせず、ゆっくり休む時間を作ってあげましょう。

まとめ

産後は育児の負担で生活のリズムが変わり、体調を崩す方が多くいらっしゃいます。

この時期、無理をしないに越したことはありませんが、核家族化が進む現代、育児に1人で携わるお母さんもいらっしゃることと思います。

 

育児・家事、全てを自分たち夫婦だけでカバーすることは難しいことを理解して、身内や友人、時にはいろいろな社会のサポートを利用されることもお勧めします

自然に改善するマタニティーブルーズではなく、長期間続き、治療が必要な「産後うつ病」という病気があることを知っておくことが必要です。

 

抑うつ気分や不眠などの精神的な症状、身体の不調が続く場合は、決して一人で抱えず、ご家族、友人、医療機関、保健センターや育児サポートなど子育て支援施設などに、相談してみてくださいね。

ライター兼監修
リトル・ママ認定ライター
日本産科婦人科学会専門医
山内かほり

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