『道路交通法』(以下道交法と略します)という言葉を耳にしたことがあると思います。自動車を運転する人が守らなければいけない法律じゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。
道交法第2条で自転車は軽車両と区分されていて、自転車に乗る人もこの道交法を守らなければなりません。
道交法の57条には二人乗りを禁止することが記載されています。
「それでは子供乗せ自転車は違反なのでは?」と思われた方、安心してください。子供乗せ自転車においては道交法の細則となる『道路交通規則』には子供乗せ自転車が法律で認められていることが記載されています。そして、この『道路交通規則』に抱っこ紐利用に関して記載されているのです。
どのように記載されているのか、例として『東京都交通規則』第10条を一部省略して紹介します。
第10条 (略)
(1)乗車人数の制限は、次のとおりとする。
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- ア 二輪または三輪の自転車には、運転者以外のものを乗車させないこと。ただし、次のいずれかに該当する場合はこの限りでない。
- (ア)16歳以上の運転者が幼児用座席に小学校就学の始期に達するまでの者1人を乗車させるとき
- (イ)16歳以上の運転者が幼児2人を同乗用自転車(運転者のための乗車装置及び2の幼児用座席を設けるために必要な特別の構造又は装置を有する自転車をいう)の幼児用座席に小学校就学の始期に達するまでの者2人を乗車させるとき
: 略 :
- ウ 16歳以上の運転者が幼児(6歳未満の者をいう)1人を子守バンドなどで確実に背負っている場合の当該幼児は当該16歳以上の運転者の一部とみな す。
東京都道路交通規則
このように運転者が16歳以上の者で、且抱っこ紐を使用した上でおんぶをしていれば違反にならないとされています。
今回は東京都の例で紹介しましたが、『道路交通規則』は各都道府県で出されていて、地域によっては異なることもあります。しかしいずれにしても”16歳以上の運転者”、”抱っこ紐でおんぶしている”ことは共通して違反にならないとされています。
前抱っこをしてしまったら道交法違反となりますので、しないよう心がけましょう。
そして補足になりますが、運転者が16歳以上で幼児を1人幼児用座席に乗せ、赤ちゃんを抱っこ紐で背負うのは違反になりませんが、幼児を前後の座席に1人ずつ乗せて赤ちゃんを背負っていた場合は違反になりますので注意しましょう。
万が一赤ちゃんを前抱っこしてしまったり、赤ちゃんをおんぶしていても運転者が16歳未満であれば道交法違反として2万円以下の罰金または過料を科せられることになります。