赤ちゃんが温泉に入れることについて「何ヶ月からOK」というのは小児科医によって見解が分かれていているため、明確に決まっているわけではありません。
赤ちゃんの温泉デビューをいつしたかは人によって異なりますが、沐浴を卒業した生後1ヶ月以降であることが大前提であり、一般的には以下の理由から1才以上になってから温泉デビューをさせたママが多いようです。
衛生面の心配
不特定多数の人間が同じお湯を利用する温泉は、免疫力の低い赤ちゃんにとって細菌リスクがあります。特に赤ちゃんに適したぬるめの温度は、細菌も好む温度であるため注意が必要です。
レジオネラ属菌の発生は温泉や旅行と関連しているとみられています。レジオネラ属菌とは重度の肺炎や発熱を引き起こす細菌であり、厚生労働省によれば高齢者や新生児、免疫力の低い者が肺炎を起こす危険性が通常より高いため注意が必要とされています。
1才頃までの赤ちゃんは免疫力が低いこと、入浴中に温泉を飲んでしまう可能性を考えると、大浴場などの温泉は避けた方が良いでしょう。
レジオネラ症 – 厚生労働省
泉質によっては肌に刺激が強いこともある
源泉の掛け流し温泉や硫黄泉、酸性泉などは、上記のレジオネラ属菌が検出されにくいとされています。しかし、酸性泉や硫黄泉は、皮膚や粘膜の弱い人には大人でもNG。肌の弱い赤ちゃんにとっては刺激が強過ぎです。
大人でも刺激が強いと思う泉質は避けましょう。
温度にも注意が必要
泉質と合わせて注意したいのがお湯の温度です。赤ちゃんの入浴に適した温度は37から38度と言われています。源泉掛け流しの温泉は温度が高いことが多いので、大人には魅力的ですが赤ちゃんには適していないため避けましょう。
一般的なマナーではありますが、大浴場などで水を加えて温度を下げる行為はNGです。赤ちゃんのためにもぬるめの温泉を選んだり、備え付けのベビーバスがあれば利用しましょう。
また、赤ちゃんがのぼせてしまわないよう長時間の入浴は控えましょう。
赤ちゃんも親も疲れてしまうことも
自分で歩くことのできない赤ちゃんをお風呂に入れる場合、基本的にずっと抱っこしたままになり、温泉は何かと不便が多いです。浴室内は床が滑りやすくなっていることもあり、転倒にも気を付けなければいけません。入浴中に浴室内で移動するときも、赤ちゃんを抱っこしながら様々なことに注意をしないとなると、結果的に赤ちゃんも大人もお風呂をゆっくり楽しむことができず、疲れてしまいます。疲れを取りに来たはずが、かえって疲れてしまったなんてことも起こりかねません。
周囲に対する配慮
温泉を利用しているお客さんの中には、排泄のコントロールが完璧ではない赤ちゃんと同じお湯に入ることを不快に感じる方もいます。個人差もありますが、赤ちゃんの排尿は1日に15から20回ほど、排便も1日に何度もすることもあることを考えると、湯船の中で排泄してしまう可能性もあります。事前にトイレを済ませておくことが大切です。施設によっては『オムツのとれていない子供の入浴不可』などのルールもありますのでしっかりと確認しましょう。
また、赤ちゃんの声でリラックスできないと感じる方もいるでしょう。温泉では普段と違う環境ということもあって、はしゃいで大声が出てしまったり、逆に泣き出してしまう赤ちゃんもいることでしょう。静かな環境でゆっくり温泉に浸かりに来た方にとっては迷惑になるかもしれません。貸し切り温泉や、部屋付きの温泉などを利用するといいですね。
自分たちだけでなく周囲の方にも配慮して温泉を楽しみましょう。