「料理は食べること、すなわち『生きること』に直結しています。私達の教室では『ご飯とお味噌汁が作れる子に』というのを目標としていますが、それは最低限ご飯とお味噌汁さえ作ることができれば、将来子どもたちがどんな状況になっても生きていけるのではないかと思っているからです。
食に対する意欲は子どもそれぞれで違っていて、教室に来る子の中にも、何でも食べる子もいれば、食べることに全然興味がない子、また初めて見るものを警戒して口に入れない子もいます。でも食材に触れる経験や、自分で手を加えたものが食事に出てくることで変わっていくんです。料理のお手伝いは、子どもの食べる意欲(=生きる意欲)にもつながります。
また、家族の役に立つとか、お母さんが喜んでくれたということは、子どもの自信になり、自己肯定感も育ちます。
子どもは評価される機会が少なくないですよね。上手か下手か、できたかできないか、点数で測れることはわかりやすいですが、料理は点数で評価はしません。そういう活動があるのは、幼児期に大切なことですよね。作ったご飯をみんなで食べて、「美味しかったね」で終われるのも料理のいいところです。」(斉藤さん)