ここ数年でお母さんたちからよく聞かれるのが「読み聞かせは感情を込めたり抑揚をつけたりせずに、淡々と読んだ方がいいのか」という質問です。読み手による脚色は子どもの想像力を削いでしまうと、いつからか言われるようになりました。
それぞれの考え方を否定はできませんが、私はいつも「“普通に”読んであげてください」と答えています。確かにあまりに演劇的な読み方だと、子どもの注目が読み手にいってしまい、本の内容が頭に残らないということはあります。
ただお母さんが子どもを楽しませようと読めば、自然と感情が入り、抑揚がつきますよね。時には親子で盛り上がって、大げさな口調で読むこともあるでしょう。それを無理にやめることは不自然ですし、親が抑揚をつけて読んだくらいで、子どもの想像力が邪魔されることはないと思うんです。