「本当は退職予定だけど産休育休を取得するのはあり?」「時短勤務でも持ち帰り仕事は残業代を請求できる?」働くママたちの疑問について、1児のパパでもある松井剛弁護士(ベリーベスト法律事務所)に聞きました。
前回の記事「未就学児のママが離婚を考えた時、まずやるべきことは?」はこちらら
教えてくれたのは
松井剛
(ベリーベスト法律事務所 弁護士)
「困っている人の力になりたい」との思いから弁護士を志し、現在は同事務所で親身・誠実・わかりやすい説明を心がけて依頼者と真摯に向き合う。労働問題、離婚問題、交通事故事件など幅広く扱う。テレビや雑誌などメディアでも活躍中。現在2才の男の子のパパ。
育児休暇は職場への復帰を前提とする制度ですが、取得後の退職が禁止されているわけではないので、育休明けに退職をするのは法的には問題ありません。
ただし、育休期間中に給付される「育児休業給付金」を取得している場合には注意が必要です。育児休業給付金は復帰後も働き続けるための「雇用継続給付」のひとつなので、育休を取得する前から退職をすることを前提に受け取っていたとなると、場合によっては詐欺罪に該当したり、返金を求められたりする可能性もあります。
正社員からパートに契約変更したということは、正社員の雇用契約を解除することに同意したということになります。一度正社員の雇用契約を解除してしまうと、「パートから正社員に戻してほしい」と求めても、会社がそれに応じる法的義務はありません。
ですので、契約変更は慎重に行いましょう。
欠勤や早退が増えると、他の人に迷惑をかけて申し訳ない、という気持ちになるのはよく分かりますが、正社員として働き続けたいと思っているならば、応じるべきではありません。まずは現在の雇用形態のまま働き続けられるよう雇用先と話し合いましょう。
時短勤務中の残業は原則として認められています。
「会社から自宅でその業務をするように命じられた」「報告のメールを日常的に送っていて、会社も時間外に労働していたことを認識している」など、在宅での仕事が会社の指揮命令下に置かれているといえる状況であれば、残業代を請求できる可能性があります。
ただし、「自分で勝手に判断して働いていた」となると、請求することは難しくなってしまいます。会社からその時間の残業が認められてないのであれば、残業しなくて済むように業務内容を調整するか、もしくは「その時間は勤務時間外だから働かない」という線引きをするのもひとつの方法です。
月給制であることを前提にすると、会社との契約で定められた出勤日数、時間を働いているからその報酬がもらえる、ということになりますので、欠勤をすれば、その分は控除(減給)されるのが一般的です。
もちろん会社に有給休暇の追加を相談・交渉することはできますが、「子の看護休暇」などの特別の有給休暇制度を会社が導入しているということでもない限り、子どもがいるからといって「欠勤でも賃金を支払う」というようなことは基本的にはありません。
退職勧奨と言いますが、「退職してくれませんか」「あなたにとっても今後のステップアップになるのでは?」などと会社側が退職の説得をすること自体は、あくまでも提案なので、法的に問題はありません。密室で脅された、退職届を書くまで帰さないなどと言われ退職届を書くことを強制された、などという事実があれば別ですが。
もちろん、退職勧奨されたからといって応じる必要はありません。会社は正社員を本人の合意なしに退職させることはできませんし、労働者側は勧奨されてもそれに応じる義務はないのです。
ただ、退職を勧められた会社に居続けることを苦痛に思う方もいますよね。同様のケースの法律相談では、雇用を継続する交渉よりも、退職金の上乗せ、解決金の提案など、より有利な条件で退職できる交渉を行うことが多いです。
私自身、イヤイヤ期真っ最中の2才の子どもがおり、妻と協力しながら日々仕事と子育てに奮闘しています。子どもが生まれると生活がガラリと変わり、働き方で悩むことも出てきますよね。これからも現在の職場で働き続けたいという思いがあるのであれば、まずは会社と円滑にコミュニケーションを取れるのがベストだとは思います。
ただもし、自分だけでは解決できないような不当な出来事があった場合は、ご自身だけで抱え込まず、第三者に相談することをおすすめします。ご相談内容によっては初回無料相談も行っていますのでぜひご活用ください。
取材・文/門司智子
提供:ベリーベスト法律事務所
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