新生児のお世話をするときに欠かせない「抱っこ」。「色々な抱き方をしたいけれど、まだ首が座っていない新生児を縦抱きしても大丈夫なの?」と迷う人も多いのではないでしょうか。今回は新生児の抱き方、特に「縦抱き」について、気をつけるポイントなどをご紹介します。
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新生児の抱き方は大きくわけて「横抱き」と「縦抱き」の2つです。
「横抱き」は、片方の腕を新生児の頭の下に腕を入れて上半身を支え、もう片方の手で下半身を支えて横向きに抱っこする方法。両手をぐるっとOの字型にするイメージで、赤ちゃんを胸に添わせます。
*新生児の股の間に手が入っていたり、新生児の腕が垂れ下がっていると、抱かれ心地が悪くなってしまいますので気を付けましょう。
「縦抱き」は、新生児の頭が反らないようにママやパパの体に密着させ、新生児が立っているような状態で縦に抱く方法です。新生児のお尻はママ(パパ)の腕の上に、頭はデコルテに寄りかかるようにして安定させます。
大人の背骨は、横から見るとS字状にカーブしています。いっぽう、生まれたばかりの新生児の背骨はママのお腹の中にいたときと同じ状態で、C字状です。この背骨の形をCカーブといいます。
抱っこをする際には、このCカーブを保ったまま抱いてあげることが大切です。 丸まっていると苦しいのではないか?と思うかもしれませんが、このほうが赤ちゃんにとっては快適なのです。
あんよの頃から徐々にこのカーブが変化し、12歳頃には大人と同じようなS字状カーブになってきます。背骨が健康に育つためにも、新生児期のCカーブを大切にする必要があります。
参考:医療法人玲生会 貴子ウィメンズクリニック
頭が揺れ動かないようにして正しい抱き方を守れば、新生児を縦抱きしても問題はありません。大切なのは、新生児の体に負担を掛けないということです。< br /> 新生児の中には、横抱きよりも縦抱きのほうが泣き止むという子もいますので、場合に応じて使い分けましょう。
赤ちゃんは、3~4ヶ月で首が座ります。そうすれば脇に手を差し入れて簡単に縦抱きすることができます。しかし新生児はふにゃふにゃとして安定しませんので、縦抱きするのを不安に思うパパやママもいるでしょう。しかし新生児のお世話は、横抱きだけで1日を切り抜けるのは大変なことも。いざというときのために縦抱きを覚えておくとよいでしょう。
新生児の授乳は、なかなかうまくいかず苦労する人も多いです。色々な授乳姿勢を試してみて、より新生児が上手に飲める姿勢を探っていく…というケースが多いのではないでしょうか。新生児の授乳スタイルの一つの候補として、縦抱きでの授乳が挙げられます。新生児の赤ちゃんでも、縦抱きで授乳することができるんですよ。
床や椅子に座り、新生児の背中を支えてあげます。新生児の顔とママの乳首の位置をあわせ、ママの太ももの上に座らせた状態で授乳します。縦抱きでの授乳は、吐き戻しの多い赤ちゃんにおすすめの授乳スタイルです。
授乳やミルクのあと、赤ちゃんの胃の中には飲み込んでしまった空気が溜まっていますので、ゲップをさせてあげましょう。赤ちゃんの胃は大人に比べて細長く、入り口がゆるいので、空気と一緒にミルクを吐き戻しやすいのです。ゲップをさせるためには、赤ちゃんを手で支えながら膝の上に座らせる方法や、膝の上にうつぶせにさる方法、赤ちゃんを縦抱きにして頭を肩の上に乗せる方法などがあります。 いずれの場合も、背中を優しくトントンと刺激してあげます。しかし、ゲップはなかなか出ないこともあり、気づいたら赤ちゃんが吐いてしまっていた…というのもよくあることです。ゲップを成功させるためにも、横抱きと縦抱きの両方ができたほうが安心です。
新生児を一日中抱っこしてあやす、というのは思った以上に大変なことです。痛みを我慢して抱っこし続けているうちに手や腕をいためてしまうこともあります。そうならないためにも、色々な抱き方をマスターしましょう。抱き方を変えるということは、腕や背中の筋肉の使い方を変えるということでもあります。横抱きと縦抱きを交え、体の色々な部分を使っていれば、一ヶ所をいためる可能性は低くなります。
体全体をママにあずける姿勢になる縦抱きは、横抱きにくらべて密着度が高く、新生児の体が安定しやすいです。そのため、新生児がより安心しやすいと言われています。ママの体温や、心臓の鼓動を感じやすくなるため、なかなか泣き止まなかった新生児が落ち着くケースもあるようです。
抱っこで寝かしつけが成功したと思いきや、ベッドに置いた途端に目がさめて泣き出す赤ちゃんの様子を「背中スイッチが発動した」と表現することがあります。この背中スイッチを発動させないためにも、縦抱きが有効です。理由としては、抱っこしたまま布団に下ろしやすいということが挙げられます。
新生児を縦抱きしたまま前傾姿勢になり、新生児の背中を布団につけて、数分待ちます。起きないことを確認してから静かに手を抜きましょう。
赤ちゃんが起きてしまう理由としては、「布団が急に背中に触れたから」「温かい抱っこから急に冷たい布団に移されたから」などが挙げられます。このやり方だと、抱っこから布団に徐々に移行することができますので、成功率が高まります。
縦抱きするときに一番気をつけるべきなのは、首に負担がかからないよう、グラグラしないようしっかりと支えることです。新生児の背骨がCカーブを描くことを意識しながら、抱く人の体に新生児を密着させます。
*気道を圧迫しないために、あまり強く抱きしめることは避けましょう
新生児期の赤ちゃんでも縦抱きできる抱っこひもがありますので、手だけだと不安な場合は検討してみてもよいでしょう。
あまりにも長く縦抱きをしてしまうと、新生児期の赤ちゃんの体に負担がかかります。縦抱きは一日中するものではなく、一時的に取り入れるものと考えてください。
足の付け根の関節が外れる病気である「股関節亜脱臼」を防ぐためにも、日本小児科学会が推奨する「コアラ抱っこ」を守ることが必要です。赤ちゃんの足が「M」の形になっているか気を付けましょう。縦抱きのときには、両膝と、両股関節が曲がった状態で、ママ(パパ)の胸にしがみつく形が理想です。
参考: 先天性股関節脱臼予防パンフレット:日本本小児科学会
▶赤ちゃんが縦抱きを嫌がる場合は
新生児によっては、縦抱きを嫌がる場合もあります。新生児が嫌がる場合は、縦抱きするタイミングや、抱き方を見直して、徐々に慣らしていきましょう。
新生児期の赤ちゃんにとって、抱っこは心の成長に欠かせない大切なスキンシップの時間。ママやパパにとっても癒やしの時間です。
横抱きだけでなく縦抱きができれば、ゲップや寝かしつけのときにとても便利ですし、手や腕をいためることの防止にもなります。なにより、泣いている赤ちゃんと密着してあげられる縦抱きは、親子の距離を縮めます。正しい縦抱きの仕方を覚えて、少しずつ取り入れてみてくださいね。
ライター 星まさよ
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