Q. どれくらい太っていたら肥満なんですか?家庭で気をつけることや対策は?
A. 急激に体重が増加しているなら専門医に相談を。まずは食事やおやつの適量を把握し、早寝早起きをするなど生活習慣を見直しましょう。
目次
肥満は、消費よりも摂取するエネルギーが多く、身体に過剰な脂肪が蓄積された状態です。子どもの場合、
①睡眠時間の減少(3才で10時間以下)②テレビ、ビデオ、スマホなどのメディア時間増加(1日2時間以上)による運動不足③食事の洋風化④おやつ、ジュース等の過剰摂取⑤両親の肥満
など生活習慣要因と遺伝要因が大きく影響しています。
3~5才の間に急激に太ると12才で糖尿病になりやすい体質になり、成人期に生活習慣病(高血圧、2型糖尿病、脂質異常など)の原因になることも(図1)。
(図1)出典:一般社団法人 日本小児内分泌学会HPより
さらに動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中を早期に起こす可能性が増えます。
また、2500g未満で生まれた赤ちゃんが生後過剰な栄養状態になると太りやすい体質になり、成人期に生活習慣病のリスクが高まることも分かってきました。
肥満状態が長いほどリスクは増し、幼児期に肥満を改善するとリスクは軽減できます。
糖質・脂質の多い食生活が続くと、遺伝子が修飾され肥満に向けてのスイッチが入るといわれているため、早くからの取り組みが必要になるのです。
肥満は幼児の場合、カウプ指数(図2)で判定しますが、それぞれの月齢や年齢で正常値の範囲が異なるので、母子手帳にある成長曲線や身長体重曲線を参考に判断した方がいいでしょう。
乳児の場合は、極端に逸脱していなければ問題はありません。
(図2)参考・出典:福祉教科書 保育士完全合格テキスト上 2015年度版(翔泳社)など
注意が必要なのは3才ごろからの急激な体重の増加。増加傾向が続いているときは、かかりつけ医や肥満外来がある小児科に相談しましょう。
周囲の大人の認識や心がけで、子どもの生活習慣は改善できます。
3~5才児の1回の食事の適量は、400~450ml容量の弁当箱にギュッと詰めた時、ご飯3:タンパク質1:野菜2くらいです(図3)。
(図3)※1日1回、くだもの、牛乳・乳製品をつける
他にも次のようなことに気をつけ、生活習慣を見直しましょう。
● 早寝早起きをし、十分に睡眠を取り、朝ご飯をきちんと食べる ● 食べ物の大皿盛りはやめ、1人分ずつ、つぎ分ける ● テレビ、ゲームなどに気を取られながらの“ながら食べ”はやめる ● おやつは時間を決めて150〜200kcalを目安にし、甘いものをあげすぎないように ● 夕食後はすぐに歯磨きをして、寝るまでにおやつは食べないようにする ● 家族で楽しく続けられる運動をする ● 家庭での1日の牛乳は、200ml程度にする(幼児)
生活習慣は1日では変りません。親が「欲しがるから、お腹がすいてかわいそう」などの誤った認識を改めることが大切です。
10分でも早く寝る、メディアの時間を少しずつ減らすなど、まずは大人が手本になりましょう。
子どもだけに頑張らせるのではなく、家族全員で取り組むことが大切です。
医学博士、日本小児科学会専門医
離乳食・幼児食アドバイザー(母子栄養協会認定)
診療科目
内科、循環器科、小児科
診療時間
◆月~水・金曜9:00~18:00 木曜9:00~12:00、
土曜9:00~12:30◆木曜 14:00~16:30 専門外来<予約制>(離乳食・幼児食相談、幼小児の肥満とやせなど)
◆休診/日曜・祝日
◆住所:福岡市西区姪の浜4-9-12
◆T E L: 092(894)2133
取材・文/佐野恵子
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