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夫婦共同名義はNG?子育て世代が住宅ローン破綻しないための注意点(2)

コロナ以降、若い夫婦の住宅ローン破綻が増えているそうです。

子育て世代の相談を多く受けてきた「子育てファミリー住宅相談窓口」の山本純子さんに、子育て世代のローン破綻をしないための注意点を教えてもらいました。

「子育てファミリー相談窓口」FP山本さん
コロナ禍の家計への打撃により、住宅ローン破綻をする若い夫婦の相談が増えています。本来なら順調にいっているはずの仕事がうまくいかなくなり、収入が減ったりボーナスがカットされたりすることで支払いが滞るのが主な理由。そこで、これから住宅購入を検討している子育て世帯の方に、ぜひ知っておいてほしいことをお伝えします。

注意点①夫婦共同名義はNG?

契約条件の複雑さ

夫婦共働きで家計を支えあう家庭が増えた中、住宅ローンを夫婦で組むケースが多くなっています。借入金額を増やせるというメリットがあるため、住宅販売の営業担当者からおすすめされることも。

 

住宅ローンを夫婦で組むには、「収入合算」「ペアローン」といった2つの方法がありますが、それぞれ、団体信用生命保険(団信)や連帯保証人の取扱い等、条件が複雑です。

どうしても夫婦でローンを組みたい場合は、契約前に必ず相手任せにせず、夫婦で融資の金融機関に確認を行い、理解した上で契約を進めましょう。「万が一離婚した場合はどうなるのでしょうか?」と確認するのがおすすめです。

どちらかが働けなくなった時のリスク

ただし、私の経験や、不動産売買の取引を行っている立場では、夫婦共同名義はおすすめしません。

 

なぜなら、元々2人分の収入をもとに大きな借入をしていますので、どちらかが働けなくなり収入減に陥った場合、住宅ローンの返済が厳しくなってしまうからです。

離婚になった場合の多くは揉める

また万が一、離婚することになった場合はとても大変。

 

ローンを1本化するには、持ち家を引き継ぐ側が、相手分のローンの残債を全額相手に支払わなければいけません。どちらか一方の意思で売買を決めることもできず、片方の支払いが滞れば差し押さえになり、最悪の場合、競売にかけられることも。

 

たとえ円満に両者で売却を決めたとしても、残債があれば資産も残らないまま、ローンだけを払い続けることにもなります。「自分にかぎって離婚などするはずもない」という方も、万が一のリスク回避として、認識していただきたいです。

注意点②ボーナス払いは極力避けて

ボーナス払いは安定した企業に勤めるご家庭こそ選びがちですが、今は何が起こるかわからない時代。コロナ禍以降、ボーナスのカットにより支払いが滞ったという話はよく聞きます。そうは言っても「ボーナス払いしないと難しい」という場合は、もう一度世帯収入に対して無理のないローンかを検討してみてください。

 

目安としては、世帯年収に対して支払いを23%〜30%以内に抑えることをおすすめします。

注意点③保険内容を把握し、足りない保障はカバーを

万が一を保障してくれる「団信」

住宅ローンを組む際、ほとんどの金融機関が団体信用生命保険(団信)の加入を融資の要件としている為、一般的には加入が必要になります。

 

団信に加入していれば契約者に万が一の事があっても住宅ローンの残債は保障されますので、ご家族は住宅ローンの支払いが無くなり、引き続きご自宅に住み続ける事ができます。

 

最近は、死亡だけではなく特約として、3大疾病・所定の身体障害状態になった場合でも保障の対象になる場合があります。

団信だけではカバーできない疾病も

ただし「団信に入っているから安心」というわけではありません。保障内容によってはカバーされない疾病もあるので注意しましょう。すでに入っている生命保険も合わせて内容を確認し、保障が足りていない病気やケガがある場合は、新たな保障の追加も検討してください。

保障の重複を見直して支払い力アップ

また団信に入る際に、加入済みの保険と重複している部分を整理することも忘れずに。保険料が下がることもあるので、その分を住宅ローン支払いに備えておきましょう。

注意点④出口(手放すとき)を意識する

出口とは?

住宅を購入するとき、多くの人は入口ばかりを考えて、出口をあまり深く考えていないことが多いです。出口というのは、「手放す時」です。

 

生きている間には、いろんな環境の変化(例えば職場が変わったり、親の介護が始まったり、子供が独立したり等)が起こります。そのような変化があったとき、住み替えを考えた方が良いケースも出てきます。

出口の設計が住替えの選択肢を広げる

実際に若い時に郊外の一戸建てを購入したものの、子どもが独立して夫婦だけになったことで、利便性を求めて街中のマンションに住み替える夫婦も増えています。

 

そのような時に、やはり資産価値のある物件は将来の選択肢を広げることにつながります。逆に、出口を考えずに住宅を選ぶと、売却してもローンの完済が出来ず、身動きが取れなくなるケースに陥ることも。

「出口」の考え方

出口を意識したことがないという人は、一つのタイミングとして、まず子どもが独り立ちする年齢(18〜22才)を意識してみましょう。

考えてほしいのは以下のポイント。

また戸建ての場合、築15年〜20年には大きな修繕費も必要となります。マンションについては、修繕積立金額の上昇について予定をしておかなければなりません。

不測の事態は他にもありますが、最初にこれらのイメージをしておくことで、これから組もうとしている住宅ローンが自分達にとって無理のないものか、見えてくると思います。

「子育てファミリー相談窓口」FP山本さん
考えていると不安になってしまうかもしれませんが、家族で毎日ポジティブに生活するためにこそ、計画的に考えておくことが大切。夫婦でよく検討して、かしこいマイホーム選びをしてくださいね。
教えてくれたのは

山本純子さん

子育てファミリー住宅相談窓口のファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士。「子育てファミリー住宅相談窓口には私を含め、2人のママスタッフが在籍しています。日々の生活でお困りの内容に敏速に対応し、多くのお客様の不動産物件売買や住宅ローン、相続、支払い計画、住宅売買のアドバイスを行なっております。お気軽にお問い合わせください」

取材・文/リトル・ママ編集部

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