おっぱいや哺乳瓶から離乳食への移行期は、手軽さからついストローマグに頼りがち。でも、すすり飲みやコップ飲みがお口の機能を整えるだけでなく、味覚や表情の発達にも影響するということをご存知ですか?「上唇をしっかり使い、お口の機能を整える“すすり飲み”や“コップ”飲みは『しっかりお口を閉じて、きちんと噛んで食べる』という習慣をつけるための大切なステップです」。
埼玉県で離乳食指導を行う管理栄養士で健康咀嚼指導士の山口真弓さんにお伺いしました。
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赤ちゃんはおっぱいやミルクを飲む吸啜(きゅうてつ)運動で舌を使って上手にしごいて飲みます。そこから離乳食に進む中で、徐々に“食べるお口”へと変化していきますが、この時期にストローマグ等を使うと、赤ちゃんに吸啜運動を思い起こさせ、お口の成長を逆戻りさせてしまうことになります。さらにストローは味覚を舌であまり感じないままに呑み込めてしまうので、舌でしっかりと味わうという感覚を育てるためにも、離乳食期にすすり飲みやコップ飲みをしておくのが理想です。
口の周りをぐるっと囲む口輪筋は、顔全体の筋肉にも繋がっているので、これらの筋肉をたくさん使うことで表情も豊かになります。お座りができて、腰がしっかり安定してからが初め時ですよ。
とはいえ、離乳食期の赤ちゃんにとってすすり飲みやコップ飲みは難しいものです。まずは、大人用の大きなスプーンを横向きにしてお子さんの口に持っていき、唇でスプーンを軽く挟みながら、液体を飲むことから始めてみましょう。スプーンは下唇に置くだけにして、傾けて流し込まずに、お子さんが自発的に飲むのを見守ってください。
スプーン飲みができるようになったら、お椀からのすすり飲みへ。コップよりも両手で支えやすく、飲み口のカーブが緩やかなお椀の方が子どもは扱いやすいです。
最初はママがお椀に手を添えて、傾ける角度を調整してあげてください。お子さんは顎を引き、目線は下(お椀の中)になるように。この時、お子さんが前のめりになったり、上を向きすぎたりしないように、後頭部をママが支えてあげるのがポイントです。
私の離乳食教室では、20~30分でできるようになるお子さんも少なくありません。お椀からのすすり飲みができるようになったら、次はコップ飲み。こぼすことが心配なら、大さじ2~3杯分の水やおちょこサイズの食器から始めてみてもいいですよ。失敗しても焦らずに、根気よく続けてみてくださいね。
管理栄養士/健康咀嚼指導士
山口 真弓さん
埼玉県所沢市でママとベビー&キッズのための料理教室「スマイル☆キッチン」を開催。10才と8才のママ。著書に『【決定版】はじめてのおいしい離乳食』(ナツメ社)ほか。
(取材・文/リトル・ママ編集部)
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