福岡の小児歯科医院「KiD’s 歯科 べふ」の下飛田道子院長による連載コラム「とび先生のキッズ歯科」。保護者から相談の多い「指しゃぶり」のお話を伺いました。
目次
子どもは成長するにつれ、自分が置かれている環境に適応するためのリズムを作ろうとして、色々な行動を起こします。
「指をしゃぶる」「髪をさわったり引っぱったりする」「タオルを離さない」など、自分の体や身近にあるものを使う傾向があります。
同じ行為を何度も繰り返すことで、身についてしまう行動を「癖」と言います。
子どもは癖について自分でも意識していないことがほとんどなのですが、「癖がひどくなるのは精神的に不安定だから」という説が広く浸透しているために、親として責められているような気持ちになり、心配されているお母さまもいらっしゃるようです。
よく相談される癖に「指しゃぶり」があります。赤ちゃんには唇に触れるものに対して、無意識に何でも吸い付く本能があり、これは母乳やミルクを飲むために必要なものです。
生後2〜3ヵ月頃に、偶然口の周りに触れた手や指に吸い付こうとして指しゃぶりが始まります。まだ指という認識はなく、口の中で指の感覚や吸い付く力を学んでいるのです。
この時期は、遊びの延長と考え、無理にやめさせなくてもいいでしょう。
基本的に指しゃぶりは、発達の経過中に見られる一過性の生理的な行動と考えられています。
乳歯がある程度生えそろっても指しゃぶりを続けていると、上下の前歯が接しにくくなったり、出っ歯になったりと、歯並びに影響することがあります。
頻度や吸う強さによりその影響は様々ですが、「癖」はすぐになくなるものではありません。叱るのではなく「してはいけないこと」だと教えることから始め、手を使う遊びへと誘導していきましょう。
どうしてもなおらない頑固な指しゃぶりの場合は、小児歯科にご相談ください。
KiD’s 歯科 べふ下飛田道子先生
福岡市城南区鳥飼5-2-30 凱旋門ビル1F
http://www.kidsshika-befu.com/
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