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子どもの発達が気になった時に知っておきたいこと

「発語が遅い」「落ち着きがない」など、子どもの発達が気になった時に、親はどう向き合い、どのような行動を起こせばいいのでしょうか。全国で約260教室の児童発達支援サービス「コペルプラス」を開校する大坪信之さんに取材しました。

「うちの子もしかして?」と思ったら

発達障害とは?

誰しも得意なことと不得意なことがあるのは当たり前ですが、発達障がいの人はこの差が大きいのが特徴。こうした発達のでこぼこが大きくなるほど社会生活を送るうえで困難な場面に出合うことが多くなり、「自分はダメな人間だ」と感じてしまいやすい傾向にあります。発達障がいでは、このように自尊感情が欠如してしまう二次障害が問題。まずは自尊感情を育ててあげることが重要です。

発達障がいの特性(代表例)

このような傾向が強くみられたら、専門機関への相談が必要かもしれません。

※障がいごとの特徴が少しずつ重なり合っている場合も多く、明確に分けて診断することは難しいとされています。

自閉症、アスペルガー症候群を含む広汎性発達障がい(自閉スペクトラム症)(PDD)

注意欠如・多動症(AD/HD)

学習障がい(LD)

その他の発達障がい

体の動かし方の不器用さ、我慢していても声が出たり体が動いてしまったりするチック、一般的に吃音と言われるような話し方なども、発達障がいに含まれます。

出展:文部科学省ホームページより抜粋

親はどうすべき?

人間は意思決定するとき、セルフイメージ(自己像)に基づき無意識に判断しているといわれています。人生に大きな影響を与えるこのセルフイメージは、幼児期に繰り返される言葉で作られます。特に一緒に過ごす時間の長い保護者の影響は強く、6才までの関わりが非常に大切です。


私は幼い頃、言葉をなかなか話さず、すぐに手が出てしまう子どもでした。学校では集団行動ができず、まわりは「この子はいったい何をしているんだろう」と思っていたでしょうね。でも、どんなに問題児扱いされても、母親だけは「あなたはいい子」と褒めてくれたんです。母から認められることで徐々に自分をコントロールできるようになりました。私が母の言葉に救われたように、たとえまわりにダメだと言われても、子どものあるがままの姿を認めてあげてください。


発達については乳幼児健診や園で指摘されることもありますが、気になることがあれば各自治体の窓口に相談してみるといいでしょう。

保護者を支援する取り組み

「子どもの支援を行う施設は多数ありますが、親を支援する施設が少ないのが現状」と大坪さんは言います。
子どもの一番近くで発達を支援する保護者だからこそ、サポートを受けながら行いたいものです。

 

現状行われている、保護者支援をご紹介します。

ペアレントトレーニング

子どもとの関わり方や日常の困りごとへの対応を学ぶ保護者向けのプログラム。自治体の発達支援センターや教育センター、医療機関で実施する他、オンラインで行う民間サービスも。

ピアサポート(自助活動)

親の会などで同じ悩みを持つ保護者同士が集まり、お互いの経験を語り合い支え合う取り組み。同じ立場だからこそ共感し合えるメリットが。

母子通所

療育施設の中には保護者が同伴して、親子遊びやプログラムを行うところも。子どもの療育と平行して保護者の学習会やカウンセリングも行っている。

次の記事では子どもが療育に通うママの声を掲載します。

\教えてくれたのは/

株式会社コペル代表取締役
大坪信之さん

1992年に徳育教室(現コペル)を設立。幼児教育で培ったノウハウから、2017年に児童発達支援サービス「コペルプラス」をスタート。著書に『あなたの言葉で子どもは育つ』(プレジデント社)、『「発達障害」という個性』(幻冬舎)他

取材・文/佐野恵子


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