ここ数年で広く知られるようになった発達障がいやグレーゾーン。「うちの子もしかして?」と思っても、「ただの個性かもしれないし…」「成長すれば変わるのでは?」と専門機関に相談するべきか迷うことも。でも、放っておけばいずれは本人が苦しむことになるかもしれません。子どもに違和感を感じた時、親はどうすればいいのでしょうか?
「診断や療育ももちろん必要ですが、毎日子どもに接する保護者の声掛け次第で、発達を促すことができます。接し方や声掛けを変えれば、お子さんやママ自身のストレスも減って子育てが楽しくなりますよ」そう話すのは、脳科学をベースにオンラインでのペアレントトレーニング「発達科学コミュニケーション」を行う臨床発達心理士の吉野加容子先生です。
グレーゾーンの子たちは身体面の発育は正常ですし、知的障がいもないため、一見普通の子と変わらないように見えます。でも子どもと長く接しているママたちは「何か他の子と違う」と不安を抱えていることが多いのです。 例えば「家では癇癪を起こしやすいけど、園ではいい子にしてる」というのはグレーゾーンの子に多い傾向。発達障がいであれば家でも園でも症状が出ますが、グレーゾーンの子はある程度状況に合わせて我慢ができてしまうのです。「気のせい」とか「成長すれば変わるかも」と心配を先送りにしていると、後からトラブルになっていく可能性もあります。脳が育つ幼児期こそ発達のチャンス。もし何か違和感を感じているなら、ママが接し方を変えてみてください。例え診断を受けて療育に通うことになったとしても、家庭での対応は発達の支援に欠かせません。 自分では判断がつかないという場合は、ママが思っている育てづらさを担任の先生も感じているか、支援が必要かどうか相談してみてください。先生に話すことに抵抗があるなら、小児神経科医や児童精神科医に相談を。専門機関では子どもの特性に合ったアドバイスもしてくれます。
まずはママが子どもの特性を正しく知ることが大切。「怠けているわけでもなく、この子はこの場面でこんな行動を取ってしまうんだ」という特性がわかれば、ママもイライラしなくて済みますし、理解されることで子どもも安定していきます。
日本の子育ては、できないところを指摘してそれを直させるという“しつけ”がベース。定型発達の子にはそれが効果を発揮する場合もありますが、グレーゾーンの子には逆効果になってしまうのです。そこで取り組んでほしいのが、“ほめる・肯定する”育て方。中でも簡単に取り入れられるのが“声掛け”です。
例えば、ママは会話より指示出しをする場面が多いので、どうしても第一声が厳しい口調になりがちです。「タロウ!」という場合と、「ねぇタロウ♪」という場合、この後の言葉を聞かなくても、結末がだいたい決まっていると思いませんか?(笑)
コミュニケーションは“最初の声掛けがすべて”とも言えます。「今お風呂に入る?ゲームの後にお風呂に入る?」などと選択させるのも一つの手です。
現在、子どもの支援はあっても、親が受けられる支援が少ないというのも実情です。ペアレント・トレーニングを行う自治体や民間団体もあるので、もっと詳しく知りたい場合は探してみてはいかがでしょうか。お近くにない場合は、オンラインでも受講できます。
――次回は子どもの発達を促す「コミュニケーション4ステップ」を具体的にご紹介します。
◆吉野加容子プロフィール
学術博士、臨床発達心理士。脳科学をベースにした発達支援が専門で、現在「発達科学ラボ」を主宰。著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』ほか。https://desc-lab.com/
(取材・文/リトル・ママ編集部)
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