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50才で脱サラ歌手一本に「home」で大ヒット、木山裕策さん「父として歌手として」

39才という年齢で歌手デビューし、「home」の大ヒットで紅白出場を果たした木山裕策さん。家族が大好き!という木山さんは、なんと男子4人の父親で、長男・次男は既に成人しているという超ベテランパパ。穏やかで清らかな歌声はもちろんですが、その子育てぶりがなんとも素敵です。木山さんらしい、心に染みる子育てトークを披露してくれました。

家事の手伝いは当番制、順番は子どもたちに任せています

——木山家の子育てルールを教えてください。

お風呂掃除やおつかいなど基本的に当番制で、その順番は子どもたちに任せています。男4人だとゲームやじゃんけんで決めることがほとんど(笑)。四男が一番負けているけど、「負けたから仕方ないし、勝った方はラッキーだし」と本人たちも納得しています。親が決めなくても自分たちでルールを決めて、楽しく家事がきるのならば、それがいいなと。人生、決まったことだけが起こるならルールだけを教えればいいけど、予期せぬことがたくさん起こるもの。困ったときに誰かの言葉を待たないと動けないのではなく、自分で考えて決められるようになってほしい。そうすれば、どんなことが起こっても雑草のように生きていけるはずだから。
木山裕策さんと4人の息子さん
最新カヴァーアルバム『ラヴ&メモリーズ』では4人の息子さんたちがコーラスや掛け声に応援参加しています

子どもと何でも話せる関係でいたい。小さい頃から怖いお父さんだったら、子どもも本心を言えないですよね

——子育てで大切にしていることは?​

気持ちを伝えることと、相手の気持ちを汲み取ろうとすること。なにか重要な場面で、自分の心を見せるようなコミュニケーションって大事だし、逆にそれがあればきっと大丈夫だと思う。

僕自身、子どもたちに悩みを相談するようにしています。そうすると、彼らの方からも話してくれるようになる。お互いに相談する側だったり助言する側だったりの関係でいられたらいいなって。

小さい頃から怖いお父さんだったら、「お前どう思う?」と聞かれても、たぶん本心を言えなくなっちゃう。毎回ガチに向き合うのはお互いに疲れるけど、然るべきタイミングではちゃんと心を通わせたいです。

——奥さまとは、子育ての役割分担などしていますか?​

はい。子どもたちのことでいうと、僕が時々深い話をする役割で、妻は普段から何でも言えるラフな関係でいられるように、を心がけています。

会社勤めをしていると、どうしても子どもと接する時間が少なくなってしまうので、何かあったときはもちろん、日々のささいなことまで妻が僕に教えてくれます。男女関係なく、どちらかがそういう役割分担をすればいいのかなと。

どんなに忙しくても、話さないといけないタイミングだけは間違えないように、って思っています

——子育てにおいて難しさを感じるのはどんなとき?
子どもと向き合うタイミングを間違えないように、とはいつも思っています。

どんなに忙しくても、今日話さないとだめなタイミングってあるんですよね。父親としての意見をちゃんと言わないといけないときが。もちろん、逃げようと思えば、仕事を理由に妻へ任せてしまうことだってできる。

でも4人育てていると、「これはスルーしていいや」「いや、今話さないとまずい」というのが段々わかるようになってきて、そんなときは会社を遅刻にしてでも、子どもと話す時間を作っています。長男のときはそのタイミングがわからなくて苦労したこともありますけどね(笑)。
——父親として、どんな背中を見せたいですか?
昔は、お父さんとしてかっこいい背中を見せたいと思っていました。

いかに転ばないようにするかを頑張ってきた人生だったけど、でも36才でガンになってからは、「転んでもいいから、その後にどうやって立ち上がるか」を考えるようになりました。

泣いたりくじけたりする姿を見せてもいい。問題や困難にどう向き合ってどう乗り越えたのか、その過程を全部見せればいいんだ、って。そしたらすっと肩の力が抜けましたね。

僕はオーディションで不合格になって大泣きもしたし、死ぬ気で頑張って歌手デビューもしました。その後も色々あるけど、こうして続けられています。決して立派な背中ではないですけどね(笑)。

夫婦円満の秘訣は、新婚当初から続けている夜のティータイム

——忙しい毎日の中で、夫婦の時間はどう確保していますか?​
我が家には、新婚当初からの夜のティータイムがあるんです。

僕は昔から紅茶が大好きで、おいしいお菓子をお供に妻といろんな話をします。僕は子どもたちの昼間の様子を知りたいし、1日中家にいる妻は話したいことがたくさんあるし。子育ての悩みやどうでもいいことなど、何でも話す会にして、お互いに意見を出し合ったりもします。

夫婦で同じ時間を持ち、できるだけやさしい気持ちで話をするのがいいですね。仕事が忙しかったりしてこの時間がなくなると、夫婦関係がぎくしゃくするくらい大切な時間です。

昔は寝かしつけ後の二人の時間だったんですけど、今ではお菓子につられて子どもたちも仲間入り(笑)。それはそれでいいですね。

「徹夜で仕事、寝ずに子ども達と遊び、夕方から歌手活動」という日々の中で

——デビュー後も広告業界のサラリーマンを続けながら、時間のやりくりはどうしていましたか?

忙しい仕事だったので平日は夜遅くまで会社にいて、週末は音楽活動。家族との時間をどう作るかが一番の課題でした。金曜夜は徹夜で仕事して、そのまま寝ないで朝から子どもたちと遊んで夕方から音楽活動、なんてことをよくしていましたね(笑)。

でも子どもが大好きだったので、家族との時間がもっと欲しくて、残業の少ない会社へ転職したんです。それからは平日19時くらいには仕事を終われたので、子どもたちとの時間を持つことができるようになりました。
レコーディング写真

「STAR ROAD~星続く道~」は自身が作詞・作曲を手掛けた初のオリジナル楽曲(カヴァーアルバム『ラヴ&メモリーズ』収録)

——子育てしながらだと、つい夢を諦めてしまうことも多いと思うのですが…。

「諦める」って人生で一番もったいないと思うんです。夢を持ち続けて、それに向かって頑張る気持ちがあれば、たとえ成功しなくても人生は輝くはず。まずは諦めないで、できることを考える。

時間がないって言うけど、意外とあるんですよ。僕だって、今日は寝ちゃおうかなってときもある。でもそういうことが続くと人生が輝かなくなっちゃう。

だから、年に1、2回は必ず立ち止まって考える。その結果、転職しちゃうんですけど(笑)。でも、それで今やりたいことができているなら、それでいいやって。子どもたちの成長が僕の原動力になるし、いつも助けてもらっているなぁって思います。

50才で会社員を辞めて音楽に一本化。今の木山さんの夢は?​

晴れの日もそうでない日も、僕のそばには歌がありました。人生山あり谷ありだったからこそ、人の心に寄り添える歌を、生きていることの素晴らしさを、届けられたらいいなと思います。

会社を辞めて独立したのは、自分の残りの人生をそんな時間にしたかったから。今回の自粛以降はコンサートがなかなかできない状況ですが、こうなる前は平日も音楽活動ができるようになったので、小・中学校の体育館で僕の紆余曲折の人生話を交えながら歌ったり、高齢者向けに歌声コンサートを開催したりしています。

自分と向き合って考えることの大切さを子どもたちに伝えていきたいし、高齢者の好きな童謡や歌謡曲など懐かしくて笑顔になれる歌を、次の世代に残していきたいです。

取材・文/門司智子

Profie
木山裕策●1968年10月3日生まれ、大阪府出身。小さい頃から音楽が好きで大学時代はバンドを組むも、プロ志望を断念して就職・結婚する。甲状腺に腫瘍が見つかったのを機に再び音楽活動をスタートし、2008年「home」でメジャーデビュー。2019年に独立してキングレコードに移籍。

木山裕策 Official Website

木山裕策 公式Instagram

『ラヴ&メモリーズ Love & Memories』
(2020年6月10日発売/税込3,000円)
“思い出の歌やラブソング”をテーマに、山あり谷ありの人生を共にしてきた全14曲を集約したカヴァー・アルバム。木山裕策さんが初めて作詞・作曲した曲も

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