見過ごさないで!子どもの肥満
- 2018/3/6
- 病気・健康
食生活やライフスタイルの変化で増えた子どもの肥満。一昔前は「太っている=健康的」とプラスに捉えられていましたが、過度な肥満にならないように幼児期からの注意が大切です。
取材協力▶︎青木内科循環器科小児科クリニック(西区) 青木真智子先生
肥満状態が続くと生活習慣病の原因に
肥満は、消費よりも摂取するエネルギーが多く、余分な栄養素が中性脂肪に変わり、脂肪組織に蓄えられた状態。子どもの場合、①睡眠時間の減少②メディア時間の増加による運動不足③食事の洋風化、外食の増加④おやつ、ジュースの過剰摂取⑤両親の肥満―など生活習慣要因と遺伝要因が大きく影響しています。
3~5才に急激に太るとかなりの確率で成人肥満へ移行し、高血圧、2型糖尿病、脂質異常などの生活習慣病の原因に。さらに動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中を起こす可能性も増えます。また2500g未満で生まれた赤ちゃんが生後過剰な栄養状態になると、太りやすい体質になり、成人期に生活習慣病のリスクが高まることも分かってきました。
肥満状態が長いほどリスクは増し、幼児期に肥満を改善すると、リスクは軽減できます。乳幼児期に糖質・脂質の多い食生活が続くと、肥満の遺伝子にスイッチが入るといわれ、早くからの取り組みが必要になります。
どれくらい太っていたら肥満なの?
肥満の数値の出し方は幼児、学童、思春期、成人とそれぞれ違います。乳児の場合は成長曲線から大きく逸脱しているときには注意が必要ですが、問題となるのは3才くらいから。この時期の肥満は次のカウプ指数で判断します。
カウプ指数 = 体重(g) ÷ 身長(cm)2 × 10
(15以上19未満が正常、19以上22未満が太り気味、22以上は太りすぎ)
身長と体重のバランスや個人差もあるので、母子手帳にある肥満度判定曲線も参考に。急激な体重増加や増加傾向が続いているときは肥満外来がある小児科に相談しましょう。
肥満の予防には親の心がけが大事
周囲の大人の認識や心がけで、子どもの生活習慣は改善できます。
まずは親が「欲しがるから、お腹がすいてかわいそう」などの誤った認識を改めること。食事やおやつの適量を把握し、生活のリズムを決めて、家族で取り組むようにしましょう。
福岡版2017年11月号より