福岡の小児歯科医院「KiD’s 歯科 べふ」の下飛田道子院長による連載コラム「とび先生のキッズ歯科」。今回は、永久歯が本来とは異なる位置に生えてくる「異所萌出(いしょほうしゅつ)」について伺いました。
乳歯が永久歯に生え変わるのは6才頃で、下の前歯(乳中切歯)が最初です。
グラグラして脱落し、永久歯が生えてくるのですが、乳歯が抜けないまま、その乳歯の後ろに永久歯が生えてくることがあります。頻繁に見られる症状で、奥歯でも同様に起こります。
これは「異所萌出(いしょほうしゅつ)」と呼ばれ、本来とは異なる位置に歯が生えてくる現象を言います。
顎が小さすぎる場合や、乳歯より永久歯が大きすぎて歯が正しい位置に生えるためのスペースが不足している場合に起こります。また、過剰歯があると永久歯が生えるのを邪魔してズレたり、捻じれて生えてくることもあります。
一番の影響は歯並びの乱れです。見た目への影響も生じますし、隣の歯と重なってしまうと歯磨きもしづらくなり、むし歯や歯肉炎が起こりやすくなります。
また、異所萌出した歯には噛む力が不均等にかかることが多く、摩耗しやすくなったり、過度な負担がかかることもあります。
歯の状態や異所萌出の程度によって異なります。
永久歯が生える時には、隣接する乳歯を押しのけるようにして生えてきます。そのため、少しスペースが不足している場合でも、顎が成長して(大きくなって)自然に永久歯が正しい位置に収まってくる(移動する)可能性があるため、経過観察が一般的です。これは、特に下の前歯の場合に言える事です。
抜けそうなくらいグラグラしてきたら、お子さん自身や保護者がお手伝いをするなどして、そっと動かしてみましょう。自然に抜け変わるのが一番ですが、なかなか抜けない場合は歯医者さんで抜いてもらいましょう。
このように、生えてきて初めてわかる場合も多いのですが、乳歯よりも永久歯が大きすぎる場合、生えてくる時に顎の中で隣の歯を吸収したり、生えるためのスペースが足らなくて外に出てこられない場合も見られます。
まずはかかりつけの歯医者さんで定期的な健診を行うことが大切です。
年中~年長さんになるとレントゲンを撮れるようになり、歯の間のむし歯の有無をチェックします。その際に、永久歯の生え方の異常や、永久歯の欠損がわかる場合も多いのです。むし歯予防だけでなく、お口の中の健康管理のためにも定期診査は大切です。
「お口の中を綺麗に保つこと」は感染症の予防になるだけでなく重症化を防ぐためにとても大切です。毎日の手洗い・うがいの習慣に加え、歯磨きも頑張りましょう。
KiD’s 歯科 べふ下飛田道子先生
福岡市城南区鳥飼5-2-30 凱旋門ビル1F
http://www.kidsshika-befu.com/
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