発達障がいについてのさまざまな情報が飛び交う今、「もしかしてうちの子…」と悩んでいるパパ・ママは多いのではないでしょうか?そんなときはどうすれば良いのか、子育て支援や発達支援を行う臨床心理士の鎌田怜那さんにお話を聞きました!
最近はインターネット上にチェックリストなど便利なものもありますが、まずお伝えしたいのは、「自己診断して不安になるのはやめましょう」ということ。
臨床心理士として18年間活動し、たくさんの親御さんからご相談をいただいてきましたが、お子さんの性格だったり子どものごく普通の成長過程での行動だったりすることがほとんどです。
例えば、「言うことを聞かなくて癇癪を起こす」「絵本を読んでも聞いてくれない」といったご相談がよくありますが、そもそも子どもは言うことを聞かないもの。近年は少子化で周りに子どもが少ない環境だったり、コロナ禍で否応なしに核家族での育児となっていたり、様々な要因があるとは思いますが、“子どもというもの”そのものを知らない大人が増えている印象を受けます。
もちろん実際に発達のサポートが必要な場合もありますが、どうか不用意に不安にならず「子どもにとって何が最善か」という視点で行動を起こしていただけたらと願っています。
不安なことがあったときに、検索魔になってしまうのはNG。インターネットの中に自分の子どもについての正解はありません。発達障がいは、専門家によるさまざまな検査を経て多角的に診断されるもの。当てはまる要素があったからといって発達障がいだとは限りません。
「癇癪がひどい」、「こだわりが強い」、「発語が遅い」など、子育てをしているとつい子どもの発達に不安を抱えてしまうこともありますが、他の子がしっかりしているように見えるのは、表面的なところだけを見ているからかもしれません。思い込みから親が不安定になってしまうのは、子どもにとって一番好ましくないことです。家庭内だけで抱え込まず、周囲の人とコミュニケーションをとってみてください。
フランスでは「1人の子どもを育てるのに、大人7人が必要」という視点で法整備がなされています。またアフリカでは「1人の子どもを育てるのに、一つの村が必要」という言葉があります。
核家族で子どもを育てるのは“不可能”と言ってもいいほど困難なこと。日本のパパ・ママは頑張りすぎなくらいです。みなさんに「もっと頼っていい、もっと力を抜いていい」ということを知っていただきたい。子育てを地域社会とシェアして、我が子の発達を見守る仲間や協力者を増やしていきましょう。そうすることで、これまで持っていた子どもの発達に対しての不安が解消することも多々あると思います。
子どもにとって一番なのは、パパ・ママが元気な笑顔でいっしょに過ごしてくれること。まずは誰かに頼り、相談することからはじめましょう!
子どもの発達に不安を感じた時は、お子さんとパパ・ママ自身のために適切な機関に相談してください。
園や学校の先生など、子どものことをよく知る第三者に相談してみましょう、家庭の中と外とでは子どもの様子が違うことが多々あります。
子どもの発達に詳しい臨床心理士によるカウンセリングや、いつも通っている小児科の先生に相談を。中には診断を受けることに抵抗がある方もいると思いますが、「診断を受けるため」というよりも、我が子との「適切な関わり方・育て方」を知るために受診することをおすすめします。
一般社団法人マミリア 代表
臨床心理士・公認心理師
鎌田怜那さん
子どもの発達について発信し、多くの子育て世代の悩みに寄り添う。福岡県を中心に、講演活動や子育て相談を行なうほか、行政との取り組みも実施。オンラインでのアタッチメント・ベビーマッサージ+発達相談も行う。自身も3児の母として日々育児に向き合う。
一般社団法人マミリア https://www.mamilia.jp/
公式Instagram
監修/鎌田 怜那 構成/田村 麻記
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