福岡の小児歯科医院「KiD’s 歯科 べふ」の下飛田道子院長による連載コラム「とび先生のキッズ歯科」。今回は乳歯の変色や欠損について聞きました。
生えたばかりの歯の表面に、白・黄・褐色などの変色がみられることがあります。スポット状のものから広い範囲に及ぶものまであり、「エナメル質形成不全」といわれています。顎の中で歯が作られている時に、何らかの影響で歯の質がうまくできなかった時にみられる症状で、変色した歯の表面はザラザラしています。
変色に加え、生えた時から歯質の一部が欠けている場合もあり、乳歯だけでなく永久歯にみられる場合もあります。
妊娠中にカルシウムやビタミンなどが不足すると、乳歯がエナメル質形成不全になりやすいと言われていますが、原因がはっきりしない場合もあります。
生後1年以内の高熱、発疹性疾患や内分泌異常などで、歯が形成される過程が阻害されてエナメル質形成不全が起こることもあり、その症状はたいてい、口腔内で左右対称に現れます。
また、乳歯に外傷を受けた場合や、神経までむし歯が進んで根の周囲に膿が溜まるようなことがあると、その乳歯の下で形成されている永久歯に影響が及び、エナメル質形成不全を起こすことがあります。
●くぼみや欠損がある場合
エナメル質形成不全の対応は症状の程度によって変わります。着色部にくぼみや欠損があれば、むし歯治療と同様にコンポジットレジン(プラスチック)などで修復します。永久歯でよくみられますが、知覚過敏の症状がある場合は欠損部に修復用セメントを被せる、もしくは充填して経過観察します。永久歯の奥歯で欠損部が大きい場合は、歯が割れたりすり減ったりする可能性があるため、一時的に修復して咬み合わせが完成した後に、本格的な処置を行います。そのため長期の歯科的管理が必要になります。
●変色だけの場合
色が変化しているだけの場合は特に治療をする必要はありませんが、表面が凸凹なため歯垢が溜まりやすくなります。健全な歯と比べてむし歯になりやすく、その進行も早いので、歯医者さんでの定期的な健診とフッ素塗布で虫歯予防をしていきましょう。
ご家庭でも「ここは弱い歯だからしっかり磨こうね」と鏡を見せながら教えてあげるといいですね。ヘッドの小さい歯ブラシで、歯を一本ずつ磨くのがおすすめです。
乳幼児は口を大きく開けてくれないので気づかないことも多く、見つけたときにはむし歯ができていたと焦るお母さま方も多くいらっしゃいます。何か異常に気が付いたら、かかりつけの歯医者さんに相談しましょう。
「お口の中を綺麗に保つこと」は感染症の予防になるだけでなく重症化を防ぐためにとても大切です。毎日の手洗い・うがいの習慣に加え、歯磨きも頑張りましょう。
KiD’s 歯科 べふ下飛田道子先生
福岡市城南区鳥飼5-2-30 凱旋門ビル1F
http://www.kidsshika-befu.com/
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