Q. 生理の周期が安定しないのですが産後だから大丈夫なのでしょうか?
A. 産後に周期が安定しないことはよくあります。とくに授乳中は排卵が抑制されるため、生理が不安定になります。ただし、不正出血が続く場合や、生理が再開してから3ヵ月以上こない場合は婦人科を受診しましょう。
妊娠以降止まっていた生理が再開する時期にはかなり個人差があり、産後2ヵ月くらいで再開する人もいれば、母乳育児を続けていると産後1年以上こない人もいます。授乳をしていると、排卵を抑制するプロラクチンというホルモンがママの体内で大量に作られるため、生理の再開までに時間がかかることも多いですが、授乳中でも産後2ヵ月くらいで生理がくるケースも。生理がいつまでも再開しないと不安になりますが、産後の「生理がこない」はそんなに心配しなくていいでしょう。しかし、なかには産後生理が再開する前に初回の排卵で妊娠する人も。妊娠の可能性がある場合は、まずは妊娠検査薬でチェックするなど注意しましょう。
3ヵ月以上生理がこないことを「無月経」といいます。
生理の周期に関わる女性ホルモンは卵巣で作られ、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つのホルモンがあります。女性ホルモンの分泌は、脳と卵巣が常に連絡を取り合いながらコントロールしているため、精神的ストレス、睡眠不足、環境や体重の変化など、脳に負荷がかかると排卵が抑制され、生理不順や無月経になります。放置しておくと、子宮の内膜が剥がれずにエストロゲンにさらされ続けることで子宮内膜増殖症や子宮体がんのリスクが高まることがあります。
また最近多いのは、無理なダイエットによる無月経。月に5%以上体重が減少すると「子孫を残すより命を守るのが優先」と脳が女性ホルモンの分泌をお休みし、無月経となります。エストロゲンには骨を作る大切な働きがあります。エストロゲンの量が減少して生理がこなくなると骨粗鬆症になりやすく、疲労骨折などの症状が出ることも。3ヵ月以上生理がこない場合は、原因が何なのかを調べて治療をすることが大事なので、早めに受診してください。
出典元:厚生労働省平成26年人口動態統計母の年齢(5才階級)・出生順位別にみた出生数 国立がん研究センターがん対策情報センター地域がん登録全国推計による罹患データ(1975年~2014年)より作図
そして、産後のママに気をつけてほしいのが「子宮頸がん」。20代後半から30代という子宮頸がんの発症年齢と出産年齢のピークが重なり、未就学児ママが亡くなることもあるため、別名”マザーキラー“とも呼ばれています。
子宮頸がんの原因は、性交渉でうつるヒトパピローマウイルス(HPV)です。性交経験が一度でもある女性ならば誰でも感染の可能性があり、80%の女性が一生のうちに一度は感染すると言われています。感染しても自覚症状はなく、約9割程度の人は自然免疫力でウイルスを排除しますが、残り1割の人はHPVが長期に感染し、このうち一部の人ががんを発症します。ゆっくり進むがんなので、定期的に子宮頸がん検診を受けていれば進行した状態で見つかることはありません。妊娠中に子宮頸がん検診を受けることが多いですが、それ以降は育児で忙しくて受けない人も少なくないので、できれば年に1回、少なくとも2年に1回は検診を受けるようにしましょう。
しょうこ・女性クリニック
診療科目
婦人科、女性内科
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◆住所:福岡県遠賀郡岡垣町野間2-16-6
◆TEL:093-281-2727
取材・文/門司智子
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