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「何が大変?」「どう接する?」人一倍敏感な子ども【HSC】の子育てを語ろう!ママ達の座談会Vol.1
- 2020/10/27
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- takaishilma

最近よく耳にするHSC。
HSCとは「ハイリー・センシティブ・チャイルド」の略で人一倍敏感な気質を持つ子どものことを言います。大人の場合はHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)と言われています。
「まじめで大人しいんだけど、何か育てにくい」
「ささいなことに反応するので、親が配慮しなければいけない場面が多い」
子育てをしていて、こんなふうに思う機会が多いとしたら、HSCかもしれません。
HSCの子どもを持つママ4人で座談会を開催
今回、リトル・ママでは自身のお子さんが人一倍敏感だと感じている幼児~小学生ママ4人に集まってもらい、日頃の悩みや対応の仕方などを語ってもらいました。
また、「子どもが学校に行きたがらない」「子どもと担任の先生の相性が合わない」と悩む小学生ママに、元小学校教諭というライター自身の経験をもとに、学校への上手な協力の仰ぎ方もアドバイス。
子どもが敏感で悩んでいるというママ・パパは、この記事を読んでぜひ参考にしてくださいね。
参加したのは幼児~小学生のママ4人!
- トリーさん/子ども2人(年中、3才姉妹。長女がHSC)
- ゆのんさん/子ども2人(小6、小3姉妹。長女がHSC)
- ととろさん/子ども1人(HSCの年少男の子)
- スッキーさん/子ども2人(小2、年少姉妹。長女がHSC)
※本文中敬称略
子どものどんなところに繊細さや敏感さを感じる?

HSPの中には好奇心旺盛で外交的な「HSS」の特性を持つ人もいます
スッキー:次女が赤ちゃんのとき救急搬送で運ばれたことがあったのですが、当時3才の長女が手をつけられないほど泣いて取り乱したんです。その時、搬送先の看護師たちから「こんなに動揺するなんて感受性がすごく豊かですね」と言われたことがきっかけで、人より敏感な子なのかなと感じるようになりました。
トリー:私の娘は睡眠に敏感さがとても出ます。ちょっとした物音で起きてしまいます。
ととろ:それ、すごく分かります。夫が帰ってきた足音で起きたり、隣で寝かしつけていたはずの私がいなくなったりすると、すぐに気づかれてしまいます。時間をかけてやっと寝かしつけたのに、すぐに起きてしまうので寝かしつけは本当に苦労しました。
トリー:4才半まで一晩中寝るということがありませんでした。娘が年少になった頃、ママ友から「10分で寝つく」という話や「朝まで起きない」という話を聞いて驚きました。この年齢の子たちはまだ一晩中寝ることはないと思っていたので。そこで他の子と違うと感じるようになりました。
ととろ:子どもが起きないようにとても神経を使うので、寝ている間も自分の時間にはならないですよね。
トリー:夜にやりたいことがあるときほど、私のソワソワしている様子を感じ取ってしまい、さらに寝ないことがあります。なかなか寝つかないことにイライラしていると、そのイライラすらも伝染してしまう…。やっと寝たと思っても、すぐにこちらの動きを察知して起きてしまいます。自分の時間が取りにくいことが辛いです。
ゆのん:私の娘も30分や1時間おきに目を覚ましていました。少しの音でも目を覚ましてしまうので、クローゼットの中に布団を敷いてお昼寝させていたこともありました。とにかく寝てほしいと思ってあらゆる手を尽くしましたが、どれも効果はありませんでした。
——「寝つきが悪い」という悩みはみなさん見事に一致していますね。非HSCの兄弟姉妹とは違うのでしょうか?

トリー:非HSCの妹とは、赤ちゃんの頃から様子が全く違います。HSCの長女は昔から音に敏感な子でしたね。
ゆのん:うちもHSCの長女と非HSCの次女とでは、敏感さという面では全然違いますね。長女はとにかく寝ない、人に懐かない性格でした。周りから、娘には何か障がいがあるのでは?と言われることもありますが、発達障がいとはちょっと違うと思っていて…。診断を受けたわけではないですが、HSCは医学的なものとは違うので、病院に行ってもHSCの診断名はつかず、場合によっては発達障がいの名前を付けられてしまう場合があると聞いたことがあります。
トリー:HSCの細かいチェック項目はたくさんありますが、4つの性質が必ず存在すると言われていますよね。「1.深く考える」「2.過剰に刺激を受けやすい」「3.共感力が強く、感情の反応が強い」「4.ささいな刺激を察知する」の4つです。
特に、深く考える部分が発達障がいと言われている子とは違う気質※かな、と思います。
(※編集部注:発達障がいの中には深く考える特性を持っている場合もあり、HSCについては様々な見解があります)
——外出先ではどんな様子ですか?
トリー:公園の大きな遊具で遊んでいるとき、他の子が来ると怯えて戻ってきてしまいます。その子たちがいなくなったタイミングでまた遊具に向かいます。内弁慶で、人がいると自分を出せない性格です。
ゆのん:わかります。私も娘のために、人がいない公園を探し歩いていました。
ととろ:私もどこかに出かける時は、前もってネットで画像を見せたり、予定を伝えたり、不安にならないように気をつけています。
子どもへの接し方で気をつけていること

——お子さんへの接し方で、特に気をつけていることなどはありますか?
ととろ:敏感さは、慎重で周りをしっかり見て行動しているという良い面でもあると思っています。そのため、他の子と違うことは悪いことじゃないよと話したり、そのままのあなたでいいよ、そのままのあなたが大好きだよと伝えたりしています。私自身が人間関係で悩んでいたときに母は味方でいてくれたので、私も同じように子どもの居場所になりたいと思っています。ただしプレッシャーを与えないように、タイミングを見て言葉をかけるよう気を付けています。
ゆのん:私の娘は小学6年生なので、本人にHSCのことが書かれている本を読ませてみました。自分のことを知って、自分との付き合い方を理解することが大切だと思っています。他の子と違うことはおかしいことではないですし、そのままの娘を受け入れてくれる場はたくさんあると思うので、無理はさせないようにしています。まずは家庭が安心できる場所であることを伝えたり、スキンシップをたくさん取ったりしています。実はいまだに寝かしつけをしているのですが、最近はそれを幸せなことだと思えるようになりました。
トリー:寝かしつけはいつまでするんだろう、と思っていたので気になります!「幸せなこと」と、ポジティブに捉えられるようになったのはなぜですか?
ゆのん:様々な本を読んで、HSCは人一倍頑張っていることを理解したからだと思います。それまではできないことばかりが気になり、当たり前の枠に当てはめて娘を見ていました。娘にとって学校は疲れる空間なのに、それでも頑張って通っていることが分かり、ますます愛しく感じるようになりました。例え学校に行けなくても彼女なりに頑張っていることを認めることで、この子はこの子のままでいいのだと思えるようになりました。

叱る時に気をつけていること
ゆのん:大きな声を出さないよう心掛けています。大きな声を出してしまうと、そのあとの言葉が娘には届かなくなってしまうからです。いけないことをした時は、淡々と言い聞かせるように意識しています。
スッキー:子ども自身が納得するまで説明をすることが有効ですよね。
ゆのん:自分だったらどう思う?と考えさせる言い方をしています。
トリー:理解力が高い子たちなので、なぜこれがどういけないのかを話すようにすると伝わりやすいですよね。
ゆのん:ただ、頑固な面もありませんか?(ここで参加者共感の嵐!)すでに、いけないことをしてしまったと分かっているのに、引けない時があるようです。意地になっているときは、娘なりに自己主張ができていると思って見守るようにはしているのですが。
トリー:私はネガティブな感情はいけないことだ、と娘が感じないように少しダメなお母さんを演出することもあります。娘自身の怒りの感情を出しやすくしたり、失敗を恐れたりすることがないよう意識させています。

褒める時に気をつけていること
——では逆に“褒め方”という面で気をつけていることはありますか?
トリー:私は色々なことに気がつくあなたは素晴らしいね、ということを伝えるようにしています。自分の気質に自信を持ってほしいと思っているからです。また、これはHSCに限らずですが、結果ではなく過程を褒めるようにしています。
スッキー:娘は現実主義なので大袈裟に褒めると、冷たい目で見てきます。大袈裟な表現は必要なく、評価を求めてくるタイプです。
ととろ:息子は自分の目標を追求するタイプなので、どう褒めていいのか迷うことがあります。私からすると凄いことでも、息子自身は納得していない時の対応に困ります。
トリー:抽象的なことではなく、具体的に褒めるといいかもしれないですね。私は、例えば絵を褒める時に、「上手だね」ではなく、「この部分の色の使い方が好きだよ」とか「この形が上手く描けてるね」などと具体的に言うようにしています。
ととろ:なるほど、実践してみます。他の子と比べないことも大切ですよね。