ママの間でまことしやかに語られる「絵本の読み聞かせは淡々と読んだ方がいい」という説は本当?東京・品川区で読み聞かせを行うNPO法人ウーヴの佐藤淳子さんにお話を伺いました。
ここ数年でお母さんたちからよく聞かれるのが「読み聞かせは感情を込めたり抑揚をつけたりせずに、淡々と読んだ方がいいのか」という質問です。読み手による脚色は子どもの想像力を削いでしまうと、いつからか言われるようになりました。
それぞれの考え方を否定はできませんが、私はいつも「“普通に”読んであげてください」と答えています。確かにあまりに演劇的な読み方だと、子どもの注目が読み手にいってしまい、本の内容が頭に残らないということはあります。
ただお母さんが子どもを楽しませようと読めば、自然と感情が入り、抑揚がつきますよね。時には親子で盛り上がって、大げさな口調で読むこともあるでしょう。それを無理にやめることは不自然ですし、親が抑揚をつけて読んだくらいで、子どもの想像力が邪魔されることはないと思うんです。
ある番組で、【落語家】【アナウンサー】【普通のお父さん】という3人の男性が読み聞かせをする実験が行われました。
落語家の表情や手ぶりをつけた読み聞かせは「あのおじさん面白い!」と大盛り上がり、アナウンサーの時はじっくりと聞き入り「読むのが上手だね」、そして最後に普通のお父さんの読み聞かせの感想を聞くと「お話が面白かった」と答えました。
話すプロの魅力をそれぞれ感じながらも、物語が一番伝わったのは、少しつっかえながら読んだ、普通のお父さんだったんです。
今はネットなどからたくさんの情報が入るので、まじめなお母さんたちは教育の一つとして「読み聞かせをしなければならない」と一生懸命になりがちです。
でも、読み聞かせの本来の目的は「お話を聞いてもらうこと」「楽しさを共有すること」。お母さんの“普通”で“自然”な読み聞かせが、お子さんにも一番伝わると思いますよ。
<教えてくれたのは>NPO法人 ウーヴ/地域サービス事業部責任者佐藤淳子さん
◆NPO法人 ウーヴ…品川区を本であふれる街にしたいと2005年に設立。様々な読み聞かせイベントを企画するほか、品川区より委託を受け学校図書館や児童施設にスタッフを配置。2019年に開設した2階建ての常設施設@ウーヴでは、お話会や乳幼児親子が自由に絵本を楽しむ時間を設けている。http://u-ve.main.jp◆住所:東京都品川区戸越6-8-7◆アクセス:東急大井町線 戸越公園駅より徒歩2分
(取材・文/リトル・ママ編集部)
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